2009年1月27日(火) <第2043号>
ハローワークに三度来てはいけない!
12.ハローワーカー、『職業人意識』を持ちましょうよ!
T.責任感
1.職業人としての責任
2.職業人としての組織秩序の維持
(1)決められた指示系統に沿って、業務を遂行する意識を持つ
(2)報告・連絡・相談などを適切なタイミングで行う
(3)自らも目標を立てて職務に臨む』
<事例研究>その1
吉村さんは自動車販売会社の営業職です。
会社は当月の目標として、新型車の販売台数30台を掲げています。
営業職は吉村さんを含め10名おり、一人当たりの販売目標台数は3台ずつです。
吉村さんは順調に売上げ、月の中ごろには目標の3台を販売しました。
他の営業職が苦戦している中、目標を達成した安堵からその後の売上は伸び悩み、
このままでは次月もスランプを引きずりそうです。
このような状況で吉村さんはどのような行動をとるべきでしょうか?
Aさんの回答
組織の目標達成がなされていない以上は、他の営業職に対してフォローをすべきです。
スランプは自分の問題なので、自分で克服し、次月に持ち越さないようにします。
<講評>
スランプは自分で克服すべきではありますが、仕事を行う上で、
悩みがあったら一人で考え込まずに、回りの人に相談することは必要です。
Bさんの回答
自分の目標達成が最優先で組織の目標達成は二の次です。
スランプは、悩みを抱え込むのではなく、どうしてスランプに陥ったのかをよく考え、
自分なりに問題点を整理し、上司に相談して解決すべきです。
<講評>
個人の目標達成にとらわれすぎています。
仕事は一人で行うものではなく、組織で行うものであるという考え方が欠如しています。
Cさんの回答
情報の共有化を図ることが大切です。
もし、吉村さんも含め、全員が目標を達成できなければ、
会社側の目標の設定に問題があるため、気にする必要は全くありません。
<講評>
一人も目標を達成することができなかったとしても、できない目標を立てた組織が悪い
と責任を転嫁するのではなく、どうすれば目標を達成できるかを考え、
次月以降の活動につなげます。
<総評とまとめ>
まずは、「組織の目標が何であるか」をしっかりと認識します。
それを徹底するためには、指示系統を明確にし、一人ひとりが指示を守ります。
次に、「組織の目標を達成するために個人の目標がある」のです。
どのような仕事でも各人に課された目標達成に向けて、
一人ひとりが一生懸命仕事に取り組むことが大切です。
そして、自分の目標を達成した人は、うまくいったコツなどに関して、
他者との連絡を密にし、情報を共有化することで組織としての目標達成に近づくことができる、
ということを認識します。
また、スランプに陥ったり、壁にぶつかったときは一人で悩むのではなく、
先輩や上司に相談し、助言を仰ぐことによって、スランプを脱出するヒントが見つかります。
もし個人の目標や組織の目標が達成できないような場合でも、
決して責任を転嫁するのではなく、組織ぐるみでどうすれば目標を達成することができたのか、
どこに問題点があったのかをよく考え、個人の行動にフィードバックしていくことが、組織と個人
の成長にとって大切です。
− 明日(1/26)は「<事例研究>その2」を掲載します −
<バックナンバー>
”社長、これじゃ、若いもんは来ませんよ!ハローワーカーの目線で求人を出して下さいよ”
第一編 ハローワーカーの目線で求人企業側に対する要望
01.社長、もっと「聴く」力を習得してよ!
02.社長、もっと明るい挨拶をしてよ!
03.社長、働きやすい会社ってどんな職場なの?
04.社長、待てますか?
05.社長、インターンシップ(就労擬似体験)制度がありますか?
06.社長、企業の価値観を提示していますか?
07.社長、「採用戦略」を考えていますか?
08.社長、若年者の職場定着率をアップしてよ?
09.社長、あなたの力だけで会社が大きくなれますか?
10.社長、こんなユニークな休暇制度もありますよ!
第二編 キャリア・コンサルタントの目線でハローワーカーへの提案
01.ハローワーカー、家庭がうまくいっていますか?
02.ハローワーカー、「ライフシェア」をしていますか?
03.ハローワーカー、フリーターになると能力開発の機会もなくなりますよ!
04.ハローワーカー、まだ半分ありますよ!
05.ハローワーカー、「正社員」にこだわりませんか?
06.ハローワーカー、自分のために働きましょう!
07.ハローワーカー、朝はご飯を食べましょうよ!
08.ハローワーカー、自分の「強み」を見つけましょう!
09.ハローワーカー、キャリア・コンサルタントを活用しませんか?
10.ハローワーカー、「ワーキングプア」が増加していますよ!
11.ハローワーカー、人と話すのが不得意ですか?
12.ハローワーカー、『職業人意識』を持ちましょうよ!
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