2005年5月31日(火) <第1151号> 「沈黙は金なり」(『聴く』)(第18回) − 相手の話をじっくり聴くとコミュニケーションが円滑になる − 【18】じっくり相手の話を聞く 情報以外の助言は無効です。 答えられる質問は、主観性が排除されている情報に関するものです。 主観性を除いた助言は効果があります。 「こちらの道を通ったら、○○まで近いですか」 「はい。行けますよ。 道が狭いので、くれぐれもスピードを出し過ぎないように」 「はい。行けますよ。 この道は狭くて危険ですから、少し遠回りになりますが、国道を通らないほうが安全ですよ」 「はい。行けますよ。 しかし、昨年は3つ目の曲がり角で、3件の脱輪・墜落死亡事故がありました。 安全を考えられるのなら、少し遠回りになりますが国道を通られるほうがいいと思います」 あまり効果がない助言は、正しいけれどわかりきった陳腐な標語です。 「廊下は走らないように」 「授業中は私語をつつしみましょう」 「黒板は毎回消しておくこと」 「食後は歯を磨くように」 助言は相手の感情に訴えなければ意味がないのです。 安心感を与えるような助言、人間の知恵のひとことです。 助言として自分の体験を相手に話をしても意味を持たないのです。 聞き手として、じっくり相手の話を聞き、人格と乖離した助言を避け、 話し手が自分自身で自分の人生の知恵を見ただすことを促進する以外 に有効な方法がないのです。 聞き手は話し手より偉くはないことを自覚します。 話し手との平等性を確保している聞き手は、尊敬していい人です。 <バックナンバー> 【01】「沈黙で売る」 【02】「素直に聞く」 【03】「話し上手は聞き上手」 【04】「真剣に聞く」 【05】「相づちを打つ(その1) 【06】「相づちを打つ(その2) 【07】「相づちにも種類がある」 【08】「くり返す(相づちの高等技術)」 【09】「相づちはタイミング(上手に聞く)」 【10】「聞いた話は忘れる」 【11】「ぐちを聞く」 【12】「ぐちを聞くには極意がある」 【13】「自分のことは話さない」 【14】「相手の心を映す鏡になる」 【15】「他人のことはできない」 【16】「聞かれたことしか話さない」 【17】「答えられない質問には答えない」
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