2005年6月1日(水) <第1152号> 「沈黙は金なり」(『聴く』)(第19回) − 相手の話をじっくり聴くとコミュニケーションが円滑になる − 【19】相手の話に興味をもつ 聞き手は話の内容よりも、話し手がどうしてそのような思いをするのか、どうしてそのような受け取り方、感じ方をするのかに興味があります。 反発モードで話を聞いていると、相手が十分話せないだけでなく、聞く側も精神的に疲れます。 共感とは相手の気持ちで話を聞くことで、自分の気持ちで聞くと、どこかで話し手の気持ちとズレが生じます。 聞き手の聞き方は、すべてが話し手中心です。興味の持てない話のときこそ、話し手を理解するチャンスです(教えるより教えてもらう態度で聞く)。 人間には教えたい本能があります。一方、人間には学びたい本能もありますが、教えたいという気持ちが強いのです。人間は自分に必要なことを学びたいし、必要でないことを学びたくないものです。「学びたいか、学びたくないかを決めるのは、頭ではなく当人の心」です。 教えるより、教えてもらう態度が私たちに必要なのは、「その人の心は、その人にしかわからない」からです。 一般的に、主観症状があるのに身体に異常が見られない場合、いちばん多いのは心因性の病気だと考えられます。身体の病気ではなく、心理的な病気です。人間は否定されると心を開かないものです。 先ずは人間的な関係を深めることが、相手の今後の心のケアには教えてもらう態度が重要なのです。 ※「来談者中心療法」(米. C・R・ロジャース) ・心理療法には診断も検査も必要でない。 ・人間を客観的に評価しようとしても、できるもではない。 ・人間の評価はそれを行った人の先入観となるだけで、来談者には役に立たない。 ・評価者と当人の人間関係に対等性が失われる。 ・対等感がなくなると真の意味での心理療法が行えてない。 <バックナンバー> 【01】「沈黙で売る」 【02】「素直に聞く」 【03】「話し上手は聞き上手」 【04】「真剣に聞く」 【05】「相づちを打つ(その1) 【06】「相づちを打つ(その2) 【07】「相づちにも種類がある」 【08】「くり返す(相づちの高等技術)」 【09】「相づちはタイミング(上手に聞く)」 【10】「聞いた話は忘れる」 【11】「ぐちを聞く」 【12】「ぐちを聞くには極意がある」 【13】「自分のことは話さない」 【14】「相手の心を映す鏡になる」 【15】「他人のことはできない」 【16】「聞かれたことしか話さない」 【17】「答えられない質問には答えない」 【18】「じっくり相手の話を聞く」
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