2005年5月30日(月) <第1150号> 「沈黙は金なり」(『聴く』)(第17回) − 相手の話をじっくり聴くとコミュニケーションが円滑になる − 【17】答えられない質問には答えない 質問には2つあります。 1つは客観的なことで、誰が質問しても、誰が答えても内容が変わらないものです。 もう1つの質問は、聞かれてた本人が考えなければ答えが出ないたぐいの内容です。 (簡単に答えを出すことができない質問です) 「このへんで安くておいしい<主観的判断です> お寿司屋さん<客観的指標になります>を知りませんか」 的確に答えようとするのなら、まず相手の安いという基準とおいしいという基準を知らねばならないのです。それは勝手な判断で質問に答えてはいけないのです。 人生においては正答のある質問や疑問などほとんどなく、納得する答えは一人ずつ異なります。 人生の疑問に対する答えは主観的なもので、納得した答えがその人なりの正答です。また一般的な答えは、第三者の人々を納得させはしますが、それは自分にとってなんの答えにもなっていないのがほとんどです。 私たちが聞き上手になるコツの1つは、むずかしい質問、正解がわからない(あるいは正解はわかっていてもできない)質問を、正答が単一でわかりやすい質問から分離することです。 答えられない質問、正答がいくつもある質問こそ、大切な質問です。答えられない質問には答えないで相手の心を聞くことが、聞き上手のコツの1つなのです。 <バックナンバー> 【01】「沈黙で売る」 【02】「素直に聞く」 【03】「話し上手は聞き上手」 【04】「真剣に聞く」 【05】「相づちを打つ(その1) 【06】「相づちを打つ(その2) 【07】「相づちにも種類がある」 【08】「くり返す(相づちの高等技術)」 【09】「相づちはタイミング(上手に聞く)」 【10】「聞いた話は忘れる」 【11】「ぐちを聞く」 【12】「ぐちを聞くには極意がある」 【13】「自分のことは話さない」 【14】「相手の心を映す鏡になる」 【15】「他人のことはできない」 【16】「聞かれたことしか話さない」
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