2005年4月11日(月) <第1101号> <バックナンバー> ○ 井上 充さん 【 61】タクシー運転手と請負 【 62】タクシー運転手という仕事 【 63】雇用情勢 【 64】高齢者雇用の取組み 【 65】NEET(ニート) 【 66】技能系社員登用制度 【 67】個人業務委託 【 68】労働形態の多様化 【 69】雇用対策の転換 【 70】採用の良否 【 71】派遣労働者の現状 【 72】新卒者内定状況 【 73】ICという働き方 【 74】某社人事担当者の悩み 【 75】営業マンの休憩時間 【 76】オーケストラの年収 【 77】労働時間延長に動く独企業 【 78】就業促進手当 【 79】第三者行為労災について 【 80】プライバシーマーク 【 81】改正労働基準法 【 82】過労自殺 【 83】私的メールのモニタリング 【 84】ビジネスマンが重視するものは 【 85】社員の起こした交通事故について 【 86】基本4情報の漏洩 【 87】聖域を外部委託した生保 【 88】医療機関の個人情報保護 【 89】生命保険の手数料 【 90】プライバシーマーク・認定申請増える 【 91】カンタン個人情報保護対策 【 92】求職活動支援書 【 93】改正代金法 【 94】成績不良と解雇 【 95】市場化テスト 【 96】セクハラ相談 【 97】給与計算の変更点 【 98】ADRって何? 【 99】悪用される全喪届 【100】信用と取引信用保険 【101】保険料の節約法 【102】労働福祉事業と雇用保険三事業 【103】年金暮らしと税金 【104】年俸制について 【105】65歳までの雇用確保が義務付けられます 【106】労働組合法が改正 【107】育児・介護休業法が改正 【108】会社を退職した方が創業する場合の助成金 【109】ストックオプションの利益は給与所得 【110】人事考課 【111】成果型賃金制度導入の難しさ 【112】賃金体系の変遷 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【113】】2007年問題 - ……………………………………………………………………………………… 「2007年問題」とは、日本の経済成長を支えてきた団塊世代が定年退職を迎えることで、人材・オフィス・税収・退職金支払・消費など日本経済に様々な形で大きな影響を与えるとされている問題のことです。 その中でも特に、近年の不況で新規採用を抑えるなどして行ってきた雇用調整により、技術やノウハウを継承すべき人材が育っていないという点について、経済産業省も対策を検討しています。 ○ 団塊世代とは 厳密には1947年から1949年の3年間に生まれた人たちのことを指します。国勢調査では、この3年間に生まれた人たちだけで600万人を超え、全人口の5.4%を占めています。 財務省の報告によると、団塊世代を含む1945年から1950年生まれが定年により順次退職した場合、2010年に最大110万人の労働力人口が失われ、実質GDP(国内総生産)で最大16兆円のマイナスになるとしています。 ○ 「人材投資促進税制」が導入 団塊世代の定年退職による人材の激減は、雇用の需給バランスを一転させます。それに今後一段と進む少子化も含めて、社員の確保そのものに加え、いかに優秀な人材に育て上げるかが2007年以降の重要な課題となります。 そこで、人材の確保・育成を図り、人材の国際競争力をつけるための対策として、2005年度より「人材投資促進税制」が導入されることになりました。 ○ 「人材投資促進税制」とは 2005年度から3年間の時限措置として導入されるもので、企業が社員の研修に要した費用の一部を法人税から控除するというものです。 具体的には、2005年度の教育訓練費が過去2年間の平均教育訓練費を超えた場合に、その25%(法人税の10%が上限)が法人税額より控除されることになるもので、中小企業には別途、特例制度が設けられています。 教育訓練費として対象となるものは、講師・指導員等の経費、教材費、外部施設使用料、研修参加費、研修委託費などです。社員の教育・育成を行いながら、法人税が控除されることにより、結果的には増加した教育訓練費より控除額の方が上回ることも可能となります。 企業としては、2007年問題を視野に入れ、人材投資促進税制を有効に活用して、若手社員の育成、熟練従業員による技術・知識のマニュアル化、中途社員の即戦力化に向けた取り組み等をこの機会に行い、各人材に対して各々の仕事の効率を高めさせる必要があると思われます。
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