2005年1月25日(火) <第1025号> <バックナンバー> ○ 橋川 栄二さん 【01】"わが国の実態経済は相当深刻で・・・" 【02】"量産品は中国やタイを中心とした海外組に任せ・・・" 【03】"IT革命がもたらす過度の情報に躍らされて・・・" 【04】"限られた経営資源の中では・・・" 【05】"国策として、産学連携や大学発ベンチャーの創出とか・・・" 【06】"わが国ものづくりのキーワードのひとつは・・・" 【07】"弊社のコア技術は放電加工という特殊技術であり・・・" 【08】"近く、地元の小学校5年生の有志が・・・" 「私の職務経歴書」(No.9) − 日々精進を重ね続ける事がわが国中小零細企業の生命線 − 企業の安定成長を図ろうと思えば、ヒット商品を継続して開発し続けることが理想なのでしょうが、時代の変化のスピードは想像以上に速く、ライフサイクルも短くなりすぎてヒット商品がもたらす束の間の恩恵に浸る間もなく、また次の新たなる開発が求められてきており、大企業を含めた多くの企業では今なお生き残り策を模索し続けています。 そうした中、大量生産は海外で、多品種少量生産や試作ならびに開発は国内でという構図が崩れはじめてきており、これは自社ブランドを持たない我々多くの中小零細企業にとっては死活問題とも言える大変な問題です。設備の更新スピードに追いつけない、複合化した生産ラインをCAD/CAMを駆使して自在にコントロールする人財不足等、様々な問題がこの国での生産活動を困難にしつつあります。 単に頭脳が優秀なだけでなく、柔軟な発想力と課題解決能力を持った人財が求められており、国内より中国やインドでそうした人財を育成した方が優位に立てるとの判断から、開発の拠点までもが現地に移行しつつある現状を謙虚に受け止め且つ猛反省した上で、何とかわが国ものづくりの灯を死守するための施策を講じなければなりません。 そのためにはこれまで何度も述べてきた自説の繰り返しで恐縮ですが、チャレンジ精神旺盛で人財活用能力に長けたリーダーを見出し、官民一体となった強力な支援体制の下、地域ぐるみで何とか成功モデルを生み出そうと懸命の努力を重ね、ここぞという時には国家予算を集中投資して開花を促すような英断が必要なのではないかと思います。 その一方で、教育も何とかしなければなりません。長期的視野に立って「もの」ではなく「ひと」に投資しなければなりません。ものは陳腐化していきますので再投資が必要になりますが、ひとは教育次第では意欲をもって新しい流れに立ち向かわんとする人財となり得ます。
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