2002年11月20日(水) <第350号>
┏━┓ 分析用脱気装置
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┗━┛ 日本が誇る「ニッチトップ」企業をご紹介しています。
< http://www.erc-info.com/html/Jtop.htm >
【株式会社イーアールシー】
剿{社 〒332-0035 埼玉県川口市西青木5-8-6
剋ミ長 白戸 鴻三様
剋幕ニ内容 分析用脱気装置と示差屈折計測器の製造・販売
凾ミとこと(六言)
●液体中に溶け込んだ気体を取り除く脱気装置で世界市場の90%を獲得しています。
一般的に脱気技術とは、水中の溶存気体(酸素、窒素ほか)を除去する技術を指します。
●主力の脱気装置は、高速液体クロマトグラフ(HPLC)などで使われています。
そのほとんどをOEM(相手先ブランド)で供給しています。従来、液体クロマトグラフィーに用いられる溶離液にガスが含まれていると、高精度な測定を行うことができません。脱気装置は、溶離液中の溶存ガスを除去するための装置で、これを用いることにより手軽に高精度の測定を行うことができます。最近ではほとんどの液体クロマトグラフ装置に脱気装置が使用されています。
●開発の裏話です(世界初の脱気装置が生まれるまで)。
ヨーヨー球を見て
…≫「口元を縛ってあるから、水も空気も抜けないはずなのに、なぜ空気だけが抜けて、しぼんでしまったんだろう。」
…≫「ゴム膜は水を通さないが、気体は逃がしてしまう。」という仮説を立て、脱気装置の開発に応用しようとしました。
…≫「ゴム膜の内外の圧力差によって空気がゴム膜を通過していた。」事実を掴みました。そして、「気液分離」という技術を使い、1981年に脱気装置を完成させました。
●親会社からの独立、そして信念がありました。
1992年、MBO(経営陣による企業買収)。
「技術は会社の顔、価格は会社の力、納期は会社の心、品質は会社の命、信用は会社の宝」
●知的財産権を守りました。
気液分離膜で使用する素材に関する特許は取得しているが、製法については特許は取得していないのです。それは何故か。
特許を取るとイーアールシー独自の製造ノウハウが公開されてしまうからでした。また、製造工程を細分化することで、現場労働者に自分の担当外の工程を見せないようにしました。このため誰かがライバル会社に引き抜かれたとしても、1人では製造工程を断片的にしか再現できないようにしたのでした。
●自戒しました。
「企業にとって理想的な成長率は年率6%。それ以下では、社員の働きに十分報いるやることができない。それ以上だと、組織の整備が追いつかない。」
自分の意思とは裏腹に会社オーナーになってしまった自分への自戒なのかもしれません。
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関|連|情|報|
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凵u脱気・注気技術」
< http://www.ie-service.co.jp/bunya.html >
凵u示差屈折計」
< http://www.photal.co.jp/product/drm_0.html >
凵u脱気装置」
< http://www1.neweb.ne.jp/wa/yrc/erc-q.html >
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