2007年4月5日（木） <第1825号>

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　−　『不祥事』　−

今週は多発する企業の『不祥事』について現状を見ていきます。

【04】つまらないプライド
製品の欠陥を隠す、国の補助金をだまし取る、談合して受注する、そして粉飾決算で投資家を欺く・・・。

三菱自動車グループの大型車タイヤ脱落事故の問題は、はじめは顧客からのクレーム情報を長年隠していました。そして国へ虚偽報告。

この問題は事故発生から三菱自動車が三菱グループという体裁やつまらないプライドをどれだけ捨てられるか世間の注目を集めました。

三菱自動車は過去、失敗はあったが失敗情報を共有することで次の失敗を予防したり、社会的損失を最小限に抑えることができたことを学びました。

システム全体を理解する真のベテランが現場からいなくなったからか・・・。

山陽新幹線のトンネル内コンクリート剥落事故、建設業界の水増しコンクリート問題など。「まさかこんなことが起こると思わなかった」は嘘。「思わなかった」ではなく、「あり得ないことと知っていたが、まったく考えていなかった」の実情。

技術の発展に伴って必要となる規模の拡大、商品が大ヒットしたことによる大増産や逆に商品が売れないことによるリストラ策など条件の変化によってシステムを改良する必要があります。

そのとき中堅社員はシステムを局部的にしか見ることができず、その局所ではよくても全体から見れば致命的な悪である改変を行ってしまうことがあります。

失敗の原因は人にあります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(エッセイスト　大前乃英雄)

＜バックナンバー＞
【01】リコール（回収・無償修理）
【02】下品
【03】品質汚染

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