2006年12月28日(木) <第1727号>
「いまも日本人は」(第18回)
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┃【18】いまもニッポン力あり!■■■■
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日本を支える「ものづくり技能」再発見
設計者が現場に関わりながら、設計するので非常に良いものが作れます。企画・設計の段階から廃棄・リサイクルまでを考えながらものをつくっているところが日本の製造業の『強み』です。
日本の『強み』
Q.日本人が忘れている日本の『強み』は何ですか?
Asn.
チームワーク。それは個人的な野心を抑え、共同で顧客のために働く文化です。勤勉を美徳とし、自己犠牲で公に尽くすという日本人の精神文化や価値観。
また日本人の強みは、方向性が定まると、あとは一気に集中して物事を進める力にあります。そして日本人は想像力が豊かで、工夫好き、仕事が速いということです。
日本人に宿る七福神の精神
どうして七福神がめでたいかというと、あの7人はどんな問題をぶつけても、必ず意見が割れるからです。その代わり、6人が反対しても必ず一人は賛成してくれます。
「おれは違うけど、お前も面白いね」と言って笑い合う態度。いまこの社会に必要なのは、自分とは違う習俗や思考法に対して寛容な心のあり方ではないでしょうか。
いつ何があるか分からないけれど、まず信用する、というのが人間関係の基本です。例外的なことが起っても揺るぎないシステムがかつての日本にはありました。いろんな考え方があっていいんじゃないのという寛容心に包まれた社会でした。
日本の禅語「遊戯(ゆげ)」
日本人には何かをして、それに見合った結果を後に期待するのではなく、今していることの中に楽しみを見出し、人生の喜びに変えてしまおうという考え方です。
日本を支えている『現場力』
「日本の強さは、ヒトの体に例えれば足腰の強みにある。足腰とは現場のこと。日本を支えているのはこの『現場力』であり、これまでは現場のことを"まともな世間"と言ってきた。
世の中が自分に合う仕事を用意しているなどと考えてはいけない。仕事とは世の中に開いている穴。穴の大きさをニーズという。穴を埋めると周囲の人が迷惑しなくなり、それなりのカネをもらえるになる。それが仕事というものだ。」
日本人の『融合力』と『継続力』
異なる文化・発想を受け入れて仕立て直す『融合力』。細部にこだわる作り込み力、長期にわたって取り組む『継続力』。
日本人がいつも言うことば「おかげさま」
何のおかげかは問わずに感謝します。これは外国人には分からない、日本人固有の心の動きです。
日本人は献身的であり、忠誠心を持っている
日本は第2の経済大国であり、潜在的な力は極めて高いのです。日本が落ち込んで自信を失っていた時、「人材」に潜在力を見出しました。また日本人は何事にも献身的に取り組みます。
企業や社会に対して忠誠心があります。そして個々が持てる力をフルに発揮しようと一生懸命に努力します。さらに非常に細かいところに注意が届きます。最後に忠誠心があってひたむきに努力し、事実に対して向き合う謙虚さ、現実性もあります。
こういった要素がすべて組み合わさった現場の力は、日本にとっても企業にとっても大きな財産で、独自の強みとなっています。
日本人はやり抜く
生産現場が知恵を出し合って改善を重ねていくにはチームワークが不可欠です。日本のものづくりの競争力の深淵は、この組織が一体となって何かに取り組む、やり抜く力です。もっと言えば、目には見えませんが、組織としてやり抜く力を支える「心の強さ」だと言っていいです。
(エッセイスト 大前乃英雄)
<バックナンバー>
【01】「いまもやさしさがある」
【02】「いまも良心を持っている」
【03】「いまも家族全員が集まる」
【04】「いまも家族の絆がある」
【05】「いまも報われている」
【06】「いまも夢を持っている」
【07】「いまも日本株式会社がある」
【08】「いまも頑張っている」
【09】「いまも知恵がある」
【10】「いまもアウンが活きている」
【11】「いまもチームワークが似合っている」
【12】「いまも和(信頼)の精神が宿っている」
【13】「いまも繊細な美意識と器用な技がある」
【14】「いまもいつも一緒」
【15】「いまもエトセトラ」
【16】「いまも道徳心があるのか!」
【17】「これからも八百屋や豆腐屋は生き残る!」
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