2004年6月17日(木) <第925号>
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【最適設計】
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<復活!乱視点>
【27】まねができないものがある
<米航空サウスウエスト>
○ 利益率重視の哲学
機内食など余分なサービスを省き、全保有機を同一機種にして整備費用を削減すると
いった徹底的な低コスト化による格安料金で成長しています。
○ 従業員の生産性の高さ
社員が自律的に日々の改善に取り組む企業風土を作り上げています。
● 「25分ルール」(航空機の待機時間を極端に減らす)
この結果が出ています。
・1日一機平均運航時間
13時間(業界大手の平均運航時間は10時間)
・一座席を1マイル(約1.6キロ)運航するのにかかる費用(ユニットコスト)
7.5セント(業界平均約15セント)
○ 連帯精神
「金さえ出せば、飛行機やコンピュータは買える。
しかし、連帯精神という形のないものをまねるのは簡単ではない」
多くの企業がIT(情報技術)投資で人員合理化を進める中です。
しかし、ITは万能ではないのです。
情報技術では対応できない人間個々の力やチームの和が競争力の決め手になっています。
<バックナンバー>
【01】〜【21】
【22】伸びる人材と企業の見極め方
【23】現況調査時の現物確認
【24】法人税関連項目のチェックポイント
【25】「みなし大会社」
【26】医師の事業所得の確定申告
【27】消費税法第63条の2(価格の表示)について
【28】会社の「実行度・徹底度」
【29】総額表示方式の実施(公正取引委員会のQ&A)
【30】住宅ローン控除
【31】経常利益を大きくする
【32】業種区分(自ら開発したゲームソフトを量販した場合)
【33】贈与税の配偶者控除
【34】請負契約と委任契約の判断(印紙税)
【35】労働基準法等による金銭の取扱い
【36】事例に学ぶ病院の生き残り戦略
【37】生計を一にする
【38】試験研究費の総額に係る税額控除制度
【39】シルバービジネスへの参入を考える
【40】個人年金と税金
【41】定期借地権付住宅の住宅ローン控除
【42】貸借対照表を作り直す(経営指標の活用)
【43】総資本経常利益率/正味運転資本比率(経営指標の活用)
■「奈穂の税務相談」■
毎週木曜日は、若手女性税理士としてご活躍、経営者への的確なアドバイスが好評、
また佐藤税理士事務所所長でもある佐藤奈穂里さんにコラム「奈穂の税務相談」をお書き
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【44】コスト・マネジメントの意義(コスト・マネジメント)
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○ コスト・マネジメントの意義
コスト・マネジメント、すなわち原価管理は利益を第一の業績評価指標とする企業にとって重要であるばかりではなく、経済性や効率性を追求することを求められる非営利組織や政府にとっても重要なテーマです。
原価管理は、1962年の大蔵省企業会計審議会による『原価計算基準』においても、原価計算の第三の目的として、「経営管理者の各階層に対して、原価管理に必要な原価資料を提供する
こと」と明記され、次のように定義されています。
「原価管理とは、原価の標準を設定してこれを指示し、原価の実際の発生額を計算記録し、
これを標準と比較して、その差異の原因を分析し、これに関する資料を経営管理者に報告し、
原価能率を増進する措置を講ずることをいう。」
ここにおける原価管理は、原価統制、すなわちコスト・コントロールが意味されていますが、
原価管理を効果的に行うためには、原価計画、すなわちコスト・プランニングを重視することが
不可欠です。
したがって、コスト・マネジメント(cost management)は、コスト・プランニングとコスト・コントロールを包括する概念としてとらえることが重要です
○ 通産省産業構造審議会『コスト・マネジメント』答申書
高度成長時代における売上高の増大やマーケットシェアの拡大、収益面の改善に直接に関連する管理局面にだけに大きな努力が払われていた状況に対する問題提起を行ったのが、1966年の通産省産業構造審議会の『コスト・マネジメント答申書』です。
この答申書では、「コスト・マネジメント」をコスト・プランニングとコスト・コントロールを包括する概念として明確にとらえました。コスト・マネジメントの必要性について、答申書が次のように述べていることは、現代においても一貫する問題視点といえます。
「長期的に見て、企業の存続は、あくまでも原価競争に勝ち抜けるものでなければならない。
これはまさに、この答申が取り上げるコスト・マネジメントの課題である。」
ここにおいて、コスト・マネジメントは次のように定義されています。
「原価管理(コスト・マネジメント)とは、利益管理の一環として、企業の安定的発展に必要な原価引下げの目標を明らかにするとともに、その実施のための計画を設定し、これが実現を図る一切の管理活動をいう。」
この定義には、次の5 つのポイントがあります。すなわち、
● 第一に利益管理の一環であること。
● 第二に安定的発展が目的であること。
● 第三に原価計画の設定であること。
● 第四に原価統制の実施であること。
● 第五に総合的な原価管理であること。
利益管理の一環であることは、原価管理において、原価のみを対象として、その一方的低減を図るだけでは不十分であることを強調するものです。予定売上高から目標利益を控除して許容
費用を求める利益計画公式において、売上高の増加と原価低減のバランスを考慮し、利益の
増加に役立つ原価管理を進めることを求めるものです。
また、低成長時代においては、安定的発展を目的とすることが不可欠であり、売上高の急増よりも原価低減が重視されることが必要です。原価計画の設定と原価統制の実施は、原価管理が
コスト・プランニングとコスト・コントロールの2段階から成り立っていることを明示したもので、
具体的な原価低減計画の設定の必要性と、それを実現し、成果をあげるための事前統制と事後統制の必要性を強調するものです。
総合的な原価管理とは、目的を達成するために必要かつ有用と考えられる一切の管理活動の実施を求めるもので、原価計算のほかOR、IE、VA 等の技法が活用され、部門別では、製造部門のみならず、販売部門や物流部門、本社も対象とされることを意味しています。
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