2003年10月30日(木) <第694号> 
 
■「奈穂の税務相談」■  
 
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                - 【13】外国人社員に関する支出の税務 -  
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○概要 
 社命により本国を離れ、日本へ長期滞在・勤務することになる外国人については、その経済的負担を勘案して、本来個人的な支出に該当する費用を会社が負担した場合の経済的利益について所得税課税を免除する取扱いが設けられています。 
 
○ホームリーブ旅費 
・ホームリーブ旅費とは 
 国内において長期間(概ね2年以上)勤務する外国人に対して、その使用者等が、相当の期間(概ね1年以上)を経過する毎に帰国休暇を認め、その帰国に必要な支出に充てるために支給する金品をホームリーブ旅費といい、給与所得課税をしないとする取扱いが設けられています。 
・源泉所得税上の取扱い 
 支給する金品のうち本人又は配偶者の本国(国籍又は市民権の属する国)との往復運賃で、最も経済的・合理的と認められる経路及び方法に相当する部分に限り、所得税の課税をしなく差し支えないと考えます。 
 本人と生計を一にする配偶者その他の親族に係る旅費についても、同様に非課税の取扱いとして差し支えないです。 
 また、元々長期間勤務する予定で来日した者については、来日後2年の経過を待たずに、1年を経過する毎にこの非課税の取扱いを受けることができます。 
・その他の要件 
 非課税として認められるのは、就業規則・旅費規程といった社内制度として確立された制度に則った帰国休暇の場合に限ります。定めなく任意に与えられる休暇に係る旅費を支給された場合については給与所得となります。 
・法人税関係 
 所得税非課税の前述旅費については、福利厚生費として損金算入されるが、給与所得とされた旅費については役員の場合は役員賞与として損金不算入となることに留意する必要があります。 
 
○家族呼び寄せ費用 
 国内に勤務する外国人が本国へ帰国することに代え、本国の配偶者及び扶養家族が日本を訪問するための旅費等についても、上記2の要件を満たすものは同様に非課税の取扱いをして差し支えないものと考えられます。 
 
○子女の外国人学校の授業料 
・外国人学校の授業料 
 外資系企業の本国より派遣される社員について、その子女が日本で通学する外国人学校へ支払う授業料等を会社が負担するという制度を設けている会社も多いです。 
 この場合、本来は社員が負担すべきものを会社が負担している経済的利益であるとして、月々給与として源泉徴収をされることとなります。 
・寄附金制度に基づく支出の場合 
 学校側の一定の寄附金募集に基づき会社が寄附を行うことにより、子女の授業料が免除される制度も多く設けられているが、この場合の経済的利益相当分については、給与所得課税をしなくて差し支えないものとされています。 
 
●「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP) 
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