2007年8月13日(月) <第1954号>
■労働・経営■
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- 【350】外食産業の回復は雇用状況にも影響か -
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○外食産業に回復の兆し
低迷していた外食産業に回復の兆しが出てきました。日本フードサービス協会がまとめた3月の外食の既存売上高(120社)は、ファーストフードがけん引して前年同月比2.0%増と、3カ月連続でプラスになりました。客数も同3.7%増と高い伸びを示しています。
各社は人手の確保に向け、賃金や働き方で新手法も取り入れ始めました。外食産業の回復は消費のすそ野の広がりを裏づけ、雇用の需要にも影響しそうです。
○ファーストフードの売上好調
既存店売上高を個別に見ると、ファーストフードが7.1%増と高い伸びとなっています。ファーストフード以外でも高級レストラン(1.2%増)、喫茶(0.4%増)などが3カ月連続でプラスとなっています。
既存店売上高の増加を支えているのは全体の客数の伸びです。3月の客数は3.7%増で、1月、2月と月を追うごとに伸び率が大きくなっています。中でもファーストフードの3月の伸び率は7.8%でした。これに対して、客単価は総じて横ばいから減少傾向に転じています。
ただ、外食の中でもファミリーレストランや居酒屋は構造的な問題を抱え低迷しています。ファミリーレストランは、主力客層である家族連れの来店が減少し、居酒屋は昨年夏以降の飲酒取締まり強化で郊外店が苦戦しています。
○人手不足で人材確保にひと工夫
回復の兆しが出てきた外食産業ですが、人件費や原材料の上昇が、収益回復の足かせになっています。中でも人手確保の問題は深刻で、各社はパートやアルバイトの採用・つなぎ留めに向け、賃金体系や働き方などで知恵を絞っています。外食産業は、店舗従業員の約9割をパートやアルバイトに依存していますが、特に都心部などは人手確保の激戦区になっています。
2007年2月時点の「飲食店・宿泊業」のパートの雇用状況は、「不足」から「過剰」の割合を引いた値が47と、全生産業の中で最も高く人手不足が常態化しています。そのような状況の中、人手を確保するために、以下のように様々な工夫をこらしているところもあるようです。
・3カ月継続して働いた人に5万円支給する。
・事前登録しておけば、定期給料日以外の希望日に給料を支払う。
・1カ月ごとに働く店舗の変更を可能にする。
・友人、知人を紹介すると一定の報奨金を支払う。
<バックナンバー>
【347】サービス業の生産性向上のための施策
【348】改正男女雇用機会均等法が施行されました
【349】年金加入記録の不一致で揺らぐ年金制度
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