2007年8月10日(金) <第1951号>
■労働・経営■
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- 【347】サービス業の生産性向上のための施策 -
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○「顧客満足度」を示す指数を開発へ
経済産業省は、サービス産業の生産性向上を目指すための総合対策をまとめました。2007年度中にも産官学共同で、顧客の満足度を示す指数(CSI)を開発し、サービス分野全体でADR(裁判外による紛争解決の手続き)機関の創設も支援します。消費者の「満足度」などを把握して、サービスの質を高めるねらいです。
経済財政諮問会議は、農業、サービスなど各分野での対策を盛り込んだ「生産性加速プログラム」を今年の4月にまとめました。経済産業省の対策は、その柱の1つとして諮問会議に示され、5月に産業界を中心とした「サービス産業生産性協議会」を設立しました。
○「総合対策」の内容(CSI、ADR)
CSIは、消費者に直接聞き取り調査を行ったデータを統計処理して、顧客満足度を100点満点で指数化し、企業ごとにサービスの質を示すものです。
ADR機関については、これまでサービス分野全体にまたがるADR機関はなかったため、顧客が安心してサービスを受けられるよう、第三者機関による業界横断の認証制度の創設を後押しします。
結婚相手紹介やエステティックなどのサービス業は、消費者にとって事前にサービスの質を把握することが難しいとされています。満足度の指数や紛争解決の仕組みによって、消費者がサービスを選びやすくなり、競争が促され、生産性が高まると見ています。
<サービス産業の生産性向上のための施策>
生産性向上を目指して打ち出された主な施策は、以下の通りです。
1.日本版顧客満足度指数(CSI)の創設
2.信頼性向上へ向けた第三者認証制度の構築支援
3.裁判以外の紛争解決(ADR)機関の設置支援
4.「サービス業300選」の発行
5.生産性や効率性を向上させた事例集の発行
6.サービス産業分野の中小企業向けファンドの創設
7.「サービス工学」の導入推進
8.世界貿易機関(WTO)、経済連携協定(EPA)交渉でサービス分野の自由化を積極化
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