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2005年3月16日(水) <第1075号>
<バックナンバー>
○ 井上 充さん
【 61】タクシー運転手と請負
【 62】タクシー運転手という仕事
【 63】雇用情勢
【 64】高齢者雇用の取組み
【 65】NEET(ニート)
【 66】技能系社員登用制度
【 67】個人業務委託
【 68】労働形態の多様化
【 69】雇用対策の転換
【 70】採用の良否
【 71】派遣労働者の現状
【 72】新卒者内定状況
【 73】ICという働き方
【 74】某社人事担当者の悩み
【 75】営業マンの休憩時間
【 76】オーケストラの年収
【 77】労働時間延長に動く独企業
【 78】就業促進手当
【 79】第三者行為労災について
【 80】プライバシーマーク
【 81】改正労働基準法
【 82】過労自殺
【 83】私的メールのモニタリング
【 84】ビジネスマンが重視するものは
【 85】社員の起こした交通事故について
【 86】基本4情報の漏洩
【 87】聖域を外部委託した生保
【 88】医療機関の個人情報保護
【 89】生命保険の手数料
【 90】プライバシーマーク・認定申請増える
【 91】カンタン個人情報保護対策
【 92】求職活動支援書
【 93】改正代金法
【 94】成績不良と解雇
【 95】市場化テスト
【 96】セクハラ相談
【 97】給与計算の変更点
【 98】ADRって何?
【 99】悪用される全喪届
【100】信用と取引信用保険
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- 【101】保険料の節約法 -
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年金改正で2004年10月より会社員の厚生年金保険料が年収の13.934%に上がりました。保険料率は毎年上がり続け、2017年には18.3%になります。
日本経団連の試算では、保険料が15%になると資本金500万円以上1,000万円未満の中小企業の最終利益は全体で赤字になるとのことです。
このように、負担増ははっきりしているのに、年金の将来像は明確ではないのです。なんとかならないのか、防衛策に走る企業も出てきました。
そのひとつが、確定拠出年金(日本版401K)の活用です。
確定拠出年金の非課税限度額が1万円増えて、月4万6,000円になりました。掛金を増やして給与を減らせば、給与に比例して上がる厚生年金の保険料は抑えられます。
ある会社では、月給から確定拠出年金の掛金にいくら回すかを自分で決められる制度にしたところ、若手社員のほとんどが上限いっぱいまで増額して、同社の担当者を驚かせました。
ところで、従来の確定拠出金の限度額を前払い一時金として給与に上乗せして支払ってきた会社では、「前払い退職金は給与とみなす」という厚生労働省の通知によって、保険料節約の意味がなくなってしまいました。
このため、同社も、支出を抑えるために、前払い退職金分を確定拠出年金の掛金に切り替えたのです。
また、事業協同組合を活用した保険料の節約策もあります。
これは、システムエンジニアなどの技術者が共同で仕事を受注するための事業協同組合です。組合に派遣社員として働いていた技術者を移し、身分を会社員から個人事業主に変えることで、本来ならば派遣社員の厚生年金保険料の半分は雇い主である派遣会社の負担となるところが、国民年金に移ることになり、派遣会社は保険料を負担しなくてよいことになります。
国民年金の方が、会社負担も個人負担も軽いのです。
企業や従業員が、覚悟を決めて負担を受け入れようとする年金制度になればいいのですが、当分この動きは止まりそうにありません。
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