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2004年3月9日(火) <第825号>
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【最適設計】
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<バックナンバー>
【01】〜【29】
【30】節税としての個人型DC
【31】サービス残業
【32】事前指定書
【33】解雇に関する法改正
【34】有期労働契約に関する改正
【35】社会保険加入は調査後からという採決
【36】65歳まで雇用義務づけ
【37】暗黙知と形式知
■労働・経営■
毎週火曜日は、社員や経営者の身の回りで起きている労働や経営の問題全般について社会保険労務士としてご活躍、また埼玉経営労務研究所代表でもある井上 充さんにコラムをお書きいただいています。
┗≫●掲載した内容についてご関心がある方は--->>>メールでこちらまでお問い合せ下さい。
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- 【38】労災保険料を安くする -
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間接経費で見直せるものはないか。そうお悩みでしたら、一度労災保険料について調べてみませんか。
会社が負担する労災保険料の額は、仕事の内容に応じて定められた保険料率に賃金の総額を掛けて求めます。労災保険料率で最も高いのは、水力発電施設・水道等新設事業で1,000分の129です。逆に最も低いのは、印刷または製本業およびその他の各種などで1,000分の5になります。業務内容によって、労災保険料率の差は実に最大25.8倍にもなるのです。(ということは、同じ賃金だった場合、保険料も最大25.8の差がつくということです。)
まずは、自社の業務が正しく労働基準監督署に登録されているかをご確認ください。
誤った料率で保険料を多めに納め続けている事業所は少なくありません。金属精錬業(非鉄金属精錬業を除く)と鋳物業では、保険料率の差が1,000分の11もあるのに、もし誤って登録されていれば、賃金総額1億円当たり年間保険料で110万円の誤差が生じます。
また、1つの事業所は同じ仕事をする人間が集まっているとみなされ、全員に高い方の料率が適用される点にご注意ください。
例えば、事務スタッフ80名とトラック運転手10名が、同じ事務所で働いているとします。事務職とトラック運転手とでは、保険料率に1,000分の8の差があるのですが、10名のトラック運転手がいることにより貨物取扱事業所とみなされ、そこで働く90名全員に一律に運転手と同じ料率が掛けられてしまうのです。これを試しに計算してみると、全員の年収が400万円だった場合、実に年間256万円も余分に保険料を納めていることになるのです。
事務職の働く事務所と貨物運転手の部署を分離して、労災保険の手続をし直すことができれば、大きなコストダウンが実現します。
建設業などの工事現場にかかる保険料の見直しについても触れておきましょう。
請負の建設を事業としていると、発注先での従業員の分も含めてどのくらいの賃金を支払ったのかを把握することがとても難しくなります。
そこで、特例を認め、請負金額に事業の種類に応じた労務比率を掛けた額を賃金総額としています。
しかし、この簡便法を採用すると、どうしても保険料の負担額が通常よりも高くなってしまいます。面倒ですが、発注先の分も含めて賃金を把握することができれば、保険料はグンと節約することができます。
ルーティーン・ワークになっている労働保険事務を少し見直すだけで、間接経費の見直しにつながります。事務負担を勘案して、ぜひご検討ください。
● 「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
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