最適設計が効果を生むだろうと思われる分野です。(その2)(オプティワークス推測)
段ボールの軽量化
(レンゴー)
段ボール2割軽く
45億円投じ抄紙機改造
輸送費削減ニーズに対応
段ボールは波板状の芯をライナー(厚紙)で挟んだ構造
・ライナーを薄くする
・包装資材の軽量化は資材費や輸送コストの削減を進める
弾性ホイールで震動や騒音を吸収
(ブリヂストン)
(トピー工業)
車内騒音減らすホイール
ホイール内部に特殊ゴムを張り、路面からの震動や騒音を吸収する仕組み
・「リム」
・「ディスク」
自動車が走行時に発生する車内の騒音は、路面のでこぼこで発生する震動がタイヤやホイール
を伝わって空気に共鳴し発生する。弾性ホイールは特殊ゴムで震動を吸収する仕組み。
タイヤと路面の接地状態も改善できる
ブレーキ部品へのアルミの採用
(日信工業)
ブレーキ部品
アルミ採用本格化
5年後に年2万トン
・車体の軽量化
-「キャリパーシステム」
-「マスタパワー」
環境配慮型容器
(花王)
新製品・マーケティング
日用品や食品の容器
リサイクル対応進む
規制法施行で新型続々
パウチ容器
「フック付きパウチ」
・新型容器の重量は従来の詰め替え用容器より9%軽い11.5グラム 本体ボトルと比べれば約1/7
(味の素)
家庭用食用油
環境対応型容器「スタンディングパウチ」
・容器容量が400グラム入りで約15グラムと従来のペットボトルに比べて半減
サントリー
新ビンに色付きカレットを90%以上使用する
(凸版印刷)
日用品・食用品の紙器「エコグロス」
・印刷加工に有害物資の少ない大豆油インキを採用
(大日本印刷)
キッコーマンと共同で開発した食品用容器「バリアインモールドラベル容器」
・プラスチック製容器で、カップのまま電子レンジで加熱調理できる
生物の体形から最適な運動方法を導き出す
(神奈川大)
生物の運動、体形から推進
神奈川大がソフト
ロボットに応用も
・シミュレーション(模擬実験)技術
コンピュータによるシミュレーション(模擬実験)技術を利用して生物の体形から最適な運動方法を
導き出す手法を開発した
・遺伝的アルゴリズム
シミュレーションは遺伝的アルゴリズムと呼ぶ計算手法を使う。仮想生物の運動方法を推定する
には、まず体形をパソコン上につくり「移動速度が最も速い」「最も消費エネルギーが少ない」とい
った条件を設定することで、自動的に最適な動運動を導き出すことができる。運動から形を決める
こともでき、ロボットを用途に合った最適の運動機構に設計するためにも役立つ
・形状から運動を決める
開発したシミュレーションは形状から運動を決めることができるが、逆に運動方式を決めることで
対応する形状も決められる。ロボット開発に応用すれば、作業や運動を特定してシミュレーション
することで、最適な構造を導きだせる
アルミ電解コンデンサー占有体積4割小さく
(日本ケミコン)
長円形の断面高密度で実装
アルミ電解コンデンサー
占有体積4割小さく
日本ケミコンは実装時の基板上での占有体積をこれまでの6割弱にしたアルミ電解コンデンサーを開発した。従来のコンデンサーは断面が円形で並べると無駄なスペースが生じるが、長円形の断面にして、コンデンサーと周辺部の空間を削減、高密度実装を実現する。
「長円形ネジ端子アルミ電解コンデンサ」
断面の形状を直線部分が多い長円形にすることで、並列して設置した場合のスペースを73%減らし、基板上でのコンデンサーの占有体積を従来の56%まで小さくできる。
アルミ電解コンデンサーは、極薄の紙とアルミ箔を、何重にも巻いた構造の内部素子を電解液に浸して電気を蓄える。中心部で熱が発生するが円筒形のコンデンサーは、長円形型のコンデンサーに比べて、断面積が約15%大きく、放熱効率が低い。新開発のコンデンサーは、放熱効果を高め、通電できる電流を2割増やして大電流の用途に対応する。
マグネシウム製シートフレーム重量4割軽く
(アラコ)
マグネシウム製シートフレーム
アラコが量産技術
重量4割軽く
トヨタ車の1割採用へ
トヨタ自動車系列車体組み立て・部品メーカーのアラコは、マグネシウム材を使った軽量シートフレームの量産技術を確立した。従来のスチール製に比べ重量が4割軽く、車体軽量化による燃費性能の向上につながる。
半溶融状態のマグネシウムを射出成型して強度を高める「チクソモールド」と呼ばれる加工法実用化した。マグネシウムはスチールに比べ強度や剛性に劣るが、新たな加工法とクレーム全体の形状変更により、トヨタの衝突安全基準をクリアした。
第一弾として8月末に全面改良した高級セダン「セルシオ」に採用され、猿投工場(愛知県豊田市)に3基の射出成形機を導入して量産体制を整えた。
今後、車のモデルチェンジごとにシートの技術改良を進める一方、100種類以上あるとみられるシートの種類を順次削減、構成部品の共通化も進める。
その一環として車体軽量化に効果的なマグネシウムフレームを積極的に導入していく。
マグネシウムの材料価格はスチールの5倍弱と割高だが、早期に量産体制に移行することで原価を引き下げていく考えだ。
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