2009年10月11日(日) <第2298号> − Aとのコミュニケーションをデザインする − 17.やってられない、部下 Mさん(1)(品質保証) 「品質保証室のMです。入社して8年目になります。ずっと品証にいます。この会社にいて感じるのは若い人がほとんど本音をいえないところ。一人ひとりがいわれた仕事に埋没して、孤立化してしまっている。 今の子どと同じなんです。父親との接触がほとんどなくて、受験や習い事に追われて友達と遊んだり、喧嘩したりする時間がない。今の若い人たちはそういう環境で育った人が多いから、他人とのかかわり方が分らない。上司も何も言わない部下にあえてかかわらない。だから、何が問題があっても周りに伝わっていかない。大問題ですよ」 Kさん(1)(営業) 「うちの会社、いや職場の人は自分の意見はいうけど、人の話はほとんど聞いてくれない人が多いです」 Jさん(1)(人事課長) 「それは若い人じゃなくて、上司のことなの?」 Kさん(2)(営業) 「そうですよ、うちの職場では私が2番目に若いんですから。課長も部長も、主任もそうです。話を聞くふりをして、分った分ったとか、俺が課長になるまで待てよとか。今困っているのに」 Sさん(1)(資材課長) 「うちの職場にも年齢の壁があるね。若手が自分に遠慮しているのが分る」 Aさん(1)(設計) 「入社5年目のAです。上司にあたる3人がバラバラなんです。勝手に仕事を進めているから、やり方が違うし、考え方も違う。ある人がいったとおりにやると、違う人が『なんでそんなことをやっているんだ。やめろ』といわれる。『二人で話してくださいよ』というと、『時間がない』で終わり。やってられないですよ」 Jさん(2)(人事課長) 「課長にはいったの?」 Aさん(2)(設計) 「課長にいっても無駄ですよ」 Sさん(2)(資材課長) 「そうなったら、もっと上にいうしかないね」 Aさん(3)(設計) 「人ごとのようにいわないでくださいよ。さすがにそこまではいえませんよ」 Mさん(2)(品質保証) 「でもひどい先輩だよな」 − 明日(10/12)は『18.気配りのよい人』を掲載します − <バックナンバー> 00.子どもの心をつかむ 01.事例 02.コンビニの店員の心をつかむ? 03.レストランで接客している女性 04.職場で具合の悪そうな部下を見つけた上司 05.「わかりません」と答える研修医A 06.不定愁訴(”愚痴外来”) 07.聴き遂げる 08.真摯に耳を傾ける 09.外科医と患者 10.年配の男性のお客 11.魚売り場の店員 12.不安はあるが暗くはない家族 13.ぐっと言葉を呑み込んだ上役 14.会議室から急ぎ退室する上司 15.感動した新人の頃 16.設計 Vs. 営業
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