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2007年6月30日(土) <第1910号>

                         ■労働・経営■

     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
              - 【326】介護休業はどのぐらい取得されているか -
     ………………………………………………………………………………………
○認知度低く取得者はわずか1.5%
働きながら家族の介護をしている人のうち、介護休業の取得経験者がわずか1.5%にとどまっていることが、労働政策研究・研修機構の調査でわかりました。介護休業は育児休業よりも認知度が低く、制度自体の内容が理解しづらいことが取得率の低さにつながっているようです。

○介護休業制度の概要
1.介護休業対象者は、要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者です。

2.日々雇い入れられる者は除かれます。

3.期間を定めて雇用される者は、申出時点において、次のいずれにも該当すれば介護休業をすることができます。
・同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること。
・介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること(93日を経過する日から1年を経過する日までの間に、労働契約期間が満了し、かつ、労働契約の更新がないことが明らかである者を除く)。

4.労使協定で定められた一定の条件に該当する対象除外労働者は介護休業をすることはできません。

○介護休業をしなかった理由(複数回答)
・家族の助け、外部サービスで介護に対処できた…78%
・休日、休暇制度などを活用して対処できた…69.2%
・職場に介護休業制度がなかった…57.5%
・職場に介護のことを相談する部署がなかった…49.6%
・職場で取得した人がいなかったので情報がなかった…38.6%
・休業を取得すると収入が減ると思った…29.3%
・介護休業制度の内容が使いづらかった…16.4%

○4人に1人が離職や転職
家族の介護を始めた当時働いていた4人に1人が、介護をきっかけに離職や転職を経験しているそうです。職場に介護休業制度や介護について相談する部署がないため、休みを取れないケースが目立ちます。

介護休業は、育児・介護休業法で通算93日を上限に複数回の取得が可能とされており、会社は介護休業制度がなくても原則的に休業の申出を拒むことはできません。しかし、同法に基づいて制度を設けている企業はまだまだ少なく、「休みを取りづらい」との社員の声が多い状況となっています。

<バックナンバー>
【268】「マザーズハローワーク」の現状と課題
【269】晩婚・晩産化で女性の労働力が上昇
【270】成果主義賃金訴訟で社員逆転敗訴の判決
【271】外国人の従業員を雇う場合の注意点
【272】雇用保険 65歳以上でも新規加入が可能に
【273】コーポレートガバナンスを学ぶ
【274】賞与をめぐる状況
【275】2005年度の概算医療費が過去最高に
【276】雇用保険の基本手当日額が変更
【277】「地域別最低賃金」を2年連続引上げへ
【278】「労働審判制度」の利用状況
【279】横行する偽装請負と労働局による是正指導
【280】社員に対する資格取得援助費用の返還請求は可能か
【281】製造業や飲食業を中心に正社員が不足傾向
【282】仕事に関係のないウェブサイトの閲覧
【283】健康保険料率の上限が2008年度から引上げ
【284】企業におけるパワー・ハラスメント防止対策
【285】育児休業取得者増加への対応が重要に
【286】出産手当金の対象者・受給額の変更
【287】健康保険法改正でどうなる
【288】若年者をとりまく厳しい雇用環境
【289】民間給与が8年連続でダウン
【290】転職で失敗しないために必要なこと
【291】雇用保険料率が引き下げられます
【292】企業の子育て支援策と導入効果
【293】会社が指定した通勤経路の変更は認められるか
【294】「医療安全管理者」指針を作成へ
【295】被災時の医療費負担が減免・猶予されます
【296】平成18年度の年末調整について
【297】各業界における人材不足への懸念と対策
【298】話題の「ホワイトカラー・イグゼンプション」とは
【299】「高年齢者雇用確保措置」の実施状況
【300】「行政サービス・住民負担の地域格差」の実施状況
【301】企業による飲酒運転対策への取り組み
【302】会社に無断でアルバイトをしたら
【303】「年収130万円」の壁、働き方で変化
【304】給与は全額差し押さえられる
【305】医療制度改革に伴う患者の医療費負担引上げ
【306】新しい年金額通知サービス「ねんきん定期便」の概要
【307】定期健康診断の受診は個人の自由なのか
【308】「働く意欲」が強い50代
【309】「景気は拡大」は9割なのに…
【310】会社員の出張が増加しているのか
【311】欧州各国における子育て支援の現状
【312】患者に安心感を与えるクリティカルパス(診療計画表)
【313】日本・ベルギー間の社会保障協定締結
【314】診療報酬の「定額制」を導入へ
【315】派遣社員の事前面接が可能になる
【316】医療機関を悩ます消費税
【317】1年変形制における年休取得日 通常賃金の計算方法
【318】1年変形制における年休取得日 通常賃金の計算方法
【319】「毎月勤労統計調査」2006年分の結果は
【320】企業も派遣社員も知って得する「紹介予定派遣」制度
【321】増加する医療相談・苦情件数
【322】会社分割に伴って行われる転籍
【323】広がらない介護休業取得
【324】どうして訪問看護師が増えないのか
【325】見直される65歳以上の介護保険料

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