2007年5月17日(木) <第1867号>
− コミュニケーションで潜在能力を引き出す −
コーチが独断でトレーニングをスタートさせてはいけません。選手に、まず「選択肢」を提示し、それを選ばせます。選んだ以上、選手は「やらされる」から「やる」へと変わります。
まずは能動的なスタートラインに立たせることです。ただし、選択肢を提示する際には「このほうがベターだよ」という方向性は必ず用意しておきます。コーチはトリガー(引き金)であり、刺激剤、触媒です。あとは選手本人次第です。
コーチと選手は「正しいケンカ」をしなければなりません。日頃からきちんとコミュニケーションをとって、「何をどうしたいか」を共有し、いい点、修正点を明確にしておけば、選手が調子を落としたときに「正しいケンカ」ができます。
選手
「アンタの言ったとおりやったけど、ダメだよ。どうなってんだよ」
コーチ
「でもおまえは、あのとき、こうしたと言ったよな。だからオレはこの方法を薦めて、おまえも納得してやったよな」
選手
「結果が出なきゃ仕方ないだろ」
コーチ
「じゃあ、いま、どうしたいんだ。体づくりの方向を変えたいのか。変えるなら、この方法がベターだけど、やってみるか」
日頃のコミュニケーションがとれていれば、ストレートに話し合っていれば、いざというときに対応不能になりません。
ところが、いつでも「いいよ、いいよ」ですませていたら、選手がスランプに陥ったときに後戻りできなくなります。
… つづく …
− さまざまな人たちとの対話 −
4月に引き続き、相手とのコミュニケーションについて考えていきます。
T.上司と部下の対話編
【26】もう1つの効果的な言葉がある
「一緒に〜」
部下
「すみません。こんなミスをしてしまって・・・。情けないです」
上司
「いやいや、どこでどう間違ったのか、原因を突き止めてみよう。一緒に対策を考えようじゃないか」
「待っててくれよな」
部下
「課長、ちゅっと相談にのってほしいことがあるんですが」
(深刻な表情で話をしに来ている)
上司
「今日は次の予定があって30分しか時間がないが、いいかい」と
「何日のこの時間なら、また時間が取れるから、そのときは必ずきちっと聴くから。ちょっと待っててくれよな」
<バックナンバー>
【23】部下を育成するときの対話集(その7)
【24】何かあったらあの上司に相談してみよう
【25】部下を大切な仲間と認め、部下の話に耳を傾けて聴こうとしている
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