2007年4月21日(土) <第1841号> − さまざまな人たちとの対話 − 今月はコミュニケーションの約束事とコミュニケーションの現状を見ていきます。 対話の目的は、対話とコミュニケーションを理解し、その可能性を広げることにあります。 【21】部下を育成するときの対話集(その6) Y.キビキビする 1.目標 整理、整頓を習慣化し、キビキビした仕事をさせたい。 2.コミュニケーションの仕方 やんわりと指摘--->>>分かりやすく説明--->>>実践を約束させる。 後片付けをしていない現状を本人がどう感じているか確認する。 整理、整頓の意義を分かりやすく説明する。 整理、整頓することでいい仕事ができることを理解させる。 3.事例 Fさんは入社2年目です。人事部に配属されています。現在は先輩のアシスタントとして採用や福利厚生などの仕事を手伝っています。素直で明るく誰からも好かれていますが、困ることがひとつあります。 それは後片付けをしないことです。使ったファイルは元の場所に戻さないし、机上に資料を置きっぱなしで帰ります。この習慣を変えるともっと仕事をキビキビと行うことができると思います。 課 長:Fさんは入社して2年目か。仕事の方は最近どう? Fさん:先輩が親切に教えてくれるので助かります。 課 長:仕事に関して、自分でこれはまずいとか、何でこうなるのかと感じていることはあるかい? Fさん:特にありません。 課 長:時々使ったファイルをそのままにして帰ることがあるけど、気がついているかな? Fさん:はい。ええと・・・時々急いでいるときに忘れちゃいます。 課 長:確かに急いでいると忘れるこちがあるよね。でも、たまたまそのときにファイルを使う人がいたら、元の場所がなくて探すと思うよ。 Fさん:そうですね。 課 長:Fさんは一生懸命仕事を覚えようとしているから、使ったものを元に戻したり、帰る前に机の上を片づける習慣を身につけると仕事のけじめがついて、もっとキビキビ仕事ができるようになると思うよ。 Fさん:気をつけます。 課 長:毎日の習慣が大切だからこれからFさんが気をつけたいことをひとつ決めて行おう。何がいいかな? Fさん:それでは使ったファイルを元に戻すことを心掛けます。 課 長:ひとつひとつ習慣にしていくことが大事だから意識して実践してみよう。 Fさん:はい。 課 長:私も気がついたことは話すけど、何か相談があったらいつでも声を掛けてください。 Fさん:よろしくお願いします。 ○対話の要点 まずは後片付けをしていない場合には、説教口調ではなくやんわりと指摘します。 次に「整理、整頓」という言葉を直接使わないで分かりやすく必要性を説明します。 そしてすぐ行うべきことを本人から引き出し、実践を約束させます。 <バックナンバー> 【01】コミュニケーションを広げる 【02】コミュニケーションの約束事 【03】コミュニケーションにおける距離感 【04】コミュニケーションの事例(その1) 【05】コミュニケーションの未完了をもたらすもの(その1) 【06】コミュニケーションの未完了をもたらすもの(その2) 【07】コミュニケーションの事例(その2) 【08】コミュニケーション環境の整備 【09】コミュニケーションの未完了を完了させる 【10】コミュニケーションにおける人間関係を築く 【11】コミュニケーションのイメージをつくる(その1) 【12】コミュニケーションのイメージをつくる(その2) 【13】行動を起こす対話 【14】大切なことを聴き取る 【15】チャンク(chunk かたまり)する 【16】ものは言いようなのである 【17】部下を育成するときの対話集(その1) 【18】部下を育成するときの対話集(その2) 【19】部下を育成するときの対話集(その3) 【20】部下を育成するときの対話集(その4) 【21】部下を育成するときの対話集(その5) (コーチ 小江戸)
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