2007年4月19日(木) <第1839号> − さまざまな人たちとの対話 − 今月はコミュニケーションの約束事とコミュニケーションの現状を見ていきます。 対話の目的は、対話とコミュニケーションを理解し、その可能性を広げることにあります。 【20】部下を育成するときの対話集(その4) W.役割意識を持たせる 1.目標 リーダーの立場を自覚させ、役割意識を持たせる。 2.コミュニケーションの仕方 本人から言わせる--->>>本人に考えさせる--->>>伝え激励する メンバーに対しどのような指導を行っているかを確認する。 リーダーとして苦労を共感する。 リーダーへの期待を告げる。 3.事例 Dさんは入社8年目です。品質保証部のリーダーとして期待されています。品質に関する知識や技術には優れたものがあり、仕事面では問題ないのだが、リーダーとしての役割意識にやや欠ける面があります。先日もメンバーと口論になり、気まずい雰囲気になりました。もう少しリーダーとしての役割を自覚し、上の立場からメンバーを見るようになると信頼感も増してくると思います。 課 長:リーダーの立場に慣れた? Dさん:まだまだという感じです。 課 長:どの辺が一番気を使うところかな? Dさん:メンバーとの接し方ですね。 課 長:「技術ノウハウ集」が活用されていないということ? Dさん:はい。工程改善の時などに勉強したことがまとまっているのに、もったいないと思います。 課 長:Dさんがメンバーに接するときに特に意識するところはどういう点? Dさん:メンバーの良いところを活かそうとしますがどうもうまくいっていません。 課 長:なぜなんだろうね。 Dさん:どうもメンバーとぶつかってしまうんです。 課 長:メンバーといっても若い人から年配の人までいるから、当然さまざまな考え方の人がいるよね。 Dさんの苦労はよく分かりるよ。そこでメンバーと張り合ったらリーダーの立場としてはまずいよね。 Dさん:全くその通りです。ただ、頭では分かるのですが行動の方がついていかない感じです。 課 長:では、どうすればいいかな? Dさん:いったんメンバーの考えを受け入れて、その後に意見の違いを冷静に指摘すればいいと思うんですが、それがどうも・・・。 課 長:私も全くその通りだと思う。リーダーはメンバーとぶつかるのではなく、メンバーの考えを聞いてアドバイスすることが役割だからね。そこまで分かっているのならすぐ行動に移せるよ。大丈夫、期待してるよ。 Dさん:どこまでできるかどうか分かりませんが意識してみます。 ○対話の要点 まずはメンバーとの実際の接し方を本人から言わせるようにします。 次にどんなことでもいいから何らかの改善案を本人に考えさせます。 そして改善案を支持し本人から実行可能であることを伝え激励します。 <バックナンバー> 【01】コミュニケーションを広げる 【02】コミュニケーションの約束事 【03】コミュニケーションにおける距離感 【04】コミュニケーションの事例(その1) 【05】コミュニケーションの未完了をもたらすもの(その1) 【06】コミュニケーションの未完了をもたらすもの(その2) 【07】コミュニケーションの事例(その2) 【08】コミュニケーション環境の整備 【09】コミュニケーションの未完了を完了させる 【10】コミュニケーションにおける人間関係を築く 【11】コミュニケーションのイメージをつくる(その1) 【12】コミュニケーションのイメージをつくる(その2) 【13】行動を起こす対話 【14】大切なことを聴き取る 【15】チャンク(chunk かたまり)する 【16】ものは言いようなのである 【17】部下を育成するときの対話集(その1) 【18】部下を育成するときの対話集(その2) 【19】部下を育成するときの対話集(その3) (コーチ 小江戸)
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