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2007年4月18日(水) <第1838号>

                    − さまざまな人たちとの対話 −

今月はコミュニケーションの約束事とコミュニケーションの現状を見ていきます。

対話の目的は、対話とコミュニケーションを理解し、その可能性を広げることにあります。

【19】部下を育成するときの対話集(その3)
V.伝える力を養う

1.目標
相手に分かりやすく伝える力を養う。

2.コミュニケーションの仕方
ほめる--->>>現状を確認する--->>>フィードバックする。
仕事の改善点を確認する。
熱心であること、いい改善ポイントであることを伝える。
もう少し相手に分かりやすく伝えるといいことをアドバイスする。

3.事例
Cさんは入社3年目です。技術部に配属しています。経験が浅いにもかかわらず、精密機械に関する知識や技術は先輩顔負けです。自分から積極的に改善提案もします。上司、先輩に対しても自分の考えをよく話します。

しかしながら何を訴えたいのかよく分からない時があります。熱っぽく話すが抽象的だったり、論点がズレたりすることがあります。

課 長:かなり忙しいようだね。
Cさん:ええ。でもいろいろやらせてもらえるので面白いです。

課 長:何かCさんなりにもっとこうしたらいいと感じている点はある?
Cさん:これまでのノウハウ集が作れているのに、使いやすくする環境が整っていない感じです。
皆あまりやる気がないんじゃないですか?

課 長:「技術ノウハウ集」が活用されていないということ?
Cさん:はい。工程改善の時などに勉強したことがまとまっているのに、もったいないと思います。

課 長:ノウハウという会社の財産を活用しないのはもったいないと言いたいわけだね。
全く君の言う通りだね。
Cさん:本当にそう思います。

課 長:使いやすい環境というのはどういうことを言っているの?
Cさん:皆が使いやすいように索引をつけるとかファイルを見やすくする、ということです。

課 長:ああそうか。そのほうが分かりやすいね。皆のやる気がないというのは?
Cさん:忙しいことは分かりますが、ノウハウを参考にする気持ちが本当にあるのかと思います。

課 長:やる気というよりも「技術ノウハウ集」に目を向ける余裕がない、ということだね。
Cさん:私が言いたいのもそのことです。

課 長:Cさんは非常にいいポイントをついていると思うよ。相手が分かるようにもう少し具体的に言うと
君の言いたいことがもっと理解されると思うよ。

○対話の要点
まずは直接、改善点は何か、聞かずに考えやすい切り口を提供します。
次に話していることが抽象的な場合でも、いい着眼点を見つけてほめます。
そして抽象的な表現や分かりにくい表現を取り上げ、具体的な表現で言い換えを促します。

<バックナンバー>
【01】コミュニケーションを広げる
【02】コミュニケーションの約束事
【03】コミュニケーションにおける距離感
【04】コミュニケーションの事例(その1)
【05】コミュニケーションの未完了をもたらすもの(その1)
【06】コミュニケーションの未完了をもたらすもの(その2)
【07】コミュニケーションの事例(その2)
【08】コミュニケーション環境の整備
【09】コミュニケーションの未完了を完了させる
【10】コミュニケーションにおける人間関係を築く
【11】コミュニケーションのイメージをつくる(その1)
【12】コミュニケーションのイメージをつくる(その2)
【13】行動を起こす対話
【14】大切なことを聴き取る
【15】チャンク(chunk かたまり)する
【16】ものは言いようなのである
【17】部下を育成するときの対話集(その1)
【18】部下を育成するときの対話集(その2)

                                                 (コーチ 小江戸)

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