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2007年4月17日(火) <第1837号>

                    − さまざまな人たちとの対話 −

今月はコミュニケーションの約束事とコミュニケーションの現状を見ていきます。

対話の目的は、対話とコミュニケーションを理解し、その可能性を広げることにあります。

【18】部下を育成するときの対話集(その2)
U.本来の力を発揮させる

1.目標
感情の波を少なくして本来の力を発揮させる

2.ミュニケーションの仕方
開かれた質問をする--->>>気楽にさせる--->>>提案する
メンバーとの接し方を本人がどう思っているかを確認する。
情緒面の不安定が本来の力を半減させている点に気づかせる。
メンバーとの関係が良くなるともっとチーム力が発揮されることに気づかせる。

3.事例
Bさんは入社7年目です。工務部のリーダーです。ぐいぐいメンバーを引っ張っていくタイプで頼もしい存在です。

ところがやや情緒不安定な面があり、日によってメンバーとの接し方が非常に異なります。機嫌がいいときにはいいアドバイスをしますが、ひどいときには口もきかなくなります。もう少し安定した接し方ができるとBさん本来の力が発揮でき、チームのまとまりが良くなります。

課 長:最近、メンバーとはどのような感じで接していますか?
Bさん:今までとは特に変わりありません。

課 長:そうか。リーダーとしてメンバーに接するときにBさんが心掛けていることは何かな。
Bさん:皆とできるだけ公平に接しようようしています。

課 長:メンバーもなかなか個性が強いと思うけど、実際はどんな感じなの?
Bさん:心掛けている割にはなかなかできていません。

課 長:特にどのようなときなの?
Bさん:自分に余裕がなかったり、体調が悪かったりするときには、メンバーのことにまで気配りできませんね。

課 長:時々そんなこともあるみたいだね。Bさんらしくないと言うメンバーもいるよ。
Bさん:そうですか。

課 長:私から見てもそういうときのBさんは、ふだんのような接し方はしていないね。Bさんらしさがほとんど出ていないね。
Bさん:確かにそういうことはありますね。しかし自分で意識して直すということは・・・。

課 長:あまり難しく考えないで少しだけ冷静になればいいと思うけど。
Bさん:それがなかなかできないんですよね。

課 長:意識するだけでも少し気持ちにゆとりができるから、メンバーに対しても余裕を持てるようになると思う。そうするとメンバーとの関係がもっと良くなると思うよ。
Bさん:はい、意識してみます。

○対話の要点
まずは本人が気づきにくい点は二段構えの質問で考えさせます。
次に「情緒不安定」などという言葉を直接使わずに、まずい点を気づかせます。
そして少し意識するだけで接し方が変わるという、気軽なアドバイスを行います。

<バックナンバー>
【01】コミュニケーションを広げる
【02】コミュニケーションの約束事
【03】コミュニケーションにおける距離感
【04】コミュニケーションの事例(その1)
【05】コミュニケーションの未完了をもたらすもの(その1)
【06】コミュニケーションの未完了をもたらすもの(その2)
【07】コミュニケーションの事例(その2)
【08】コミュニケーション環境の整備
【09】コミュニケーションの未完了を完了させる
【10】コミュニケーションにおける人間関係を築く
【11】コミュニケーションのイメージをつくる(その1)
【12】コミュニケーションのイメージをつくる(その2)
【13】行動を起こす対話
【14】大切なことを聴き取る
【15】チャンク(chunk かたまり)する
【16】ものは言いようなのである
【17】部下を育成するときの対話集(その1)


                                                 (コーチ 小江戸)

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