2006年12月14日(木) <第1713号> ■労働・経営■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【294】「医療安全管理者」指針を作成へ - ……………………………………………………………………………………… ○医療事故防止を目的とする指針の作成 厚生労働省は、医療事故の防止対策として、医療機関で安全対策の責任を担う「医療安全管理者」(リスクマネージャー)の業務指針や研修プログラムを作成する方針を示しています。 ○「医療安全管理者」とは 医療安全管理者は、2003年から、大学病院などの特定病院や新人医師に臨床研修を行う臨床研修指定病院に配置が義務付けられているものです。 医師や看護師、薬剤師の資格と「医療安全に関する必要な知識」を持つことが条件とされており、医療事故が発生した場合に情報を収集して分析し、再発防止策を立案することが求められます。 ○「ヒヤリ・ハット」の事例 厚生労働省は、日本医療機能評価機構を通じて、医療事故情報やヒヤリ・ハット事例を収集・分析して公表しており、医療機関や国民に対してこれらの情報を提供することで、医療安全対策の一層の推進を図っています。 ヒヤリ・ハット事例として報告される情報は、具体的には次のようなものです。 (1)誤った医療行為等が、患者に実施される前に発見された事例 (2)誤った医療行為等が実施されたが、結果として患者に影響を及ぼすに至らなかった事例 (3)誤った医療行為等が実施され、その結果、軽微な処置・治療を要した事例 ○これからの課題 現在、各職種団体や医療機関グループがそれぞれ独自の研修プログラムで医療安全管理者の認定を行い、独自の業務指針を定めているため、医療機関ごとに仕事の内容や質がバラバラになっています。このため、今回、厚生労働省は医療事故の防止策を充実させるため、管理者の質の向上が必要であると判断したわけです。 <バックナンバー> 【268】「マザーズハローワーク」の現状と課題 【269】晩婚・晩産化で女性の労働力が上昇 【270】成果主義賃金訴訟で社員逆転敗訴の判決 【271】外国人の従業員を雇う場合の注意点 【272】雇用保険 65歳以上でも新規加入が可能に 【273】コーポレートガバナンスを学ぶ 【274】賞与をめぐる状況 【275】2005年度の概算医療費が過去最高に 【276】雇用保険の基本手当日額が変更 【277】「地域別最低賃金」を2年連続引上げへ 【278】「労働審判制度」の利用状況 【279】横行する偽装請負と労働局による是正指導 【280】社員に対する資格取得援助費用の返還請求は可能か 【281】製造業や飲食業を中心に正社員が不足傾向 【282】仕事に関係のないウェブサイトの閲覧 【283】健康保険料率の上限が2008年度から引上げ 【284】企業におけるパワー・ハラスメント防止対策 【285】育児休業取得者増加への対応が重要に 【286】出産手当金の対象者・受給額の変更 【287】健康保険法改正でどうなる 【288】若年者をとりまく厳しい雇用環境 【289】民間給与が8年連続でダウン 【290】転職で失敗しないために必要なこと 【291】雇用保険料率が引き下げられます 【292】企業の子育て支援策と導入効果 【293】会社が指定した通勤経路の変更は認められるか
← Prev News Index Next→
Copyright 2001-2002 OptWorks Inc. All rights reserved. Contact Us