2006年12月15日(金) <第1714号> ■労働・経営■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【295】被災時の医療費負担が減免・猶予されます - ……………………………………………………………………………………… ○10月から制度スタート この10月から、地震や台風などで大きな被害を受けた場合に、医療機関でかかった医療費の支払いが減免・猶予される制度が、会社員などにも適用されるようになりました。 これまで、自営業者や無職者が加入する国民健康保険、高齢者が加入する老人保健制度では同様の制度がありましたが、会社員とその家族が加入している健康保険組合や政府管掌健康保険では、「被災しても無収入にならない」との理由から、減免・猶予されていませんでした。 ○対象となるケースは 対象となる災害は、地震、風水害、火災などで住宅や家財が大きな損害を受け、医療費の支払いが困難と判断された場合です。また、自己負担割合の下げ幅、減免猶予期間などは各健康保険の判断で決定されることになります。 ○国民健康保険・老人保健制度では 国民健康保険料の減免は、災害により障害者となった場合や死亡した場合に行われます。各市町村で細かな基準があり、災害により受けた損害金額と合計所得金額の兼ね合いによって軽減または免除されることとなっています。 老人保健制度でも、災害により一部負担金を支払うことが困難であるものに対して減免を行う制度があり、それぞれ減免の申請書や証明書が必要となります。 ○減免措置の内容は各健保次第 現在、会社員の医療費の自己負担割合は原則3割ですが、軽減分は各健康保険組合が肩代わりをすることになります。 具体的にどの程度の被害で減免・猶予対象とするかは、加入する健康保険組合に判断を委ねるため、同じ災害でも健保の財政状況などによって減免措置の内容が異なってくる可能性もあります。 <バックナンバー> 【268】「マザーズハローワーク」の現状と課題 【269】晩婚・晩産化で女性の労働力が上昇 【270】成果主義賃金訴訟で社員逆転敗訴の判決 【271】外国人の従業員を雇う場合の注意点 【272】雇用保険 65歳以上でも新規加入が可能に 【273】コーポレートガバナンスを学ぶ 【274】賞与をめぐる状況 【275】2005年度の概算医療費が過去最高に 【276】雇用保険の基本手当日額が変更 【277】「地域別最低賃金」を2年連続引上げへ 【278】「労働審判制度」の利用状況 【279】横行する偽装請負と労働局による是正指導 【280】社員に対する資格取得援助費用の返還請求は可能か 【281】製造業や飲食業を中心に正社員が不足傾向 【282】仕事に関係のないウェブサイトの閲覧 【283】健康保険料率の上限が2008年度から引上げ 【284】企業におけるパワー・ハラスメント防止対策 【285】育児休業取得者増加への対応が重要に 【286】出産手当金の対象者・受給額の変更 【287】健康保険法改正でどうなる 【288】若年者をとりまく厳しい雇用環境 【289】民間給与が8年連続でダウン 【290】転職で失敗しないために必要なこと 【291】雇用保険料率が引き下げられます 【292】企業の子育て支援策と導入効果 【293】会社が指定した通勤経路の変更は認められるか 【294】「医療安全管理者」指針を作成へ
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