2006年12月12日(火) <第1711号> ■労働・経営■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【292】企業の子育て支援策と導入効果 - ……………………………………………………………………………………… ○育児支援策の現状 内閣府は、企業の子育て支援策と導入効果に関する調査結果を発表しました。調査は今年2月から3月にかけ従業員数301人以上の5,000社を対象に行われました。 育児休業制度を導入(就業規則に明記)している企業は約8割ありましたが、事業場内に託児所を設置・運営している企業は7.5%にとどまるなど、具体的な育児支援制度の導入には遅れが目立っています。また、正社員と非正社員の待遇格差もあるようです。 ○手薄な具体的保育サービス 育児休業制度を就業規則に明記している企業は81.4%、非正社員に育児休業を認めている企業は54.4%で、法律で規定されている「出産後1年間」を超える長期の休業を整備するなどの手厚い制度を導入している企業は24.4%となっています。 具体的な保育サービスの整備が手薄な状況もみられ、女性の育児休業後の職場復帰でキャリアを継続させる支援策を導入している企業は11.3%にとどまるなど、会社側の体制に改善が望まれる結果となりました。 ○正社員と非正社員の間に格差も 子育て支援における正社員とパート、アルバイトなどの非正社員との格差も浮き彫りになっています。 短時間勤務制度は、正社員については53.9%の企業が導入しているのに対して、非正社員については35.5%の企業しか導入していませんでした。また、フレックスタイム制についても、正社員で取り入れている企業が24%なのに対し、非正社員は10.2%という結果になっています。 ○労使双方にメリットも 仕事と子育ての両立支援策導入の効果を実感している企業は多く、「長期的にみて女性従業員の定着率が向上した」と回答した企業は41.2%に上りました。 反対に、「あまり効果がなかった」と回答した企業は8.6%にとどまり、仕事と子育ての両立支援を会社側が積極的に行えば、労使双方において良い結果につながる傾向にあることが調査結果からわかりました。 <バックナンバー> 【268】「マザーズハローワーク」の現状と課題 【269】晩婚・晩産化で女性の労働力が上昇 【270】成果主義賃金訴訟で社員逆転敗訴の判決 【271】外国人の従業員を雇う場合の注意点 【272】雇用保険 65歳以上でも新規加入が可能に 【273】コーポレートガバナンスを学ぶ 【274】賞与をめぐる状況 【275】2005年度の概算医療費が過去最高に 【276】雇用保険の基本手当日額が変更 【277】「地域別最低賃金」を2年連続引上げへ 【278】「労働審判制度」の利用状況 【279】横行する偽装請負と労働局による是正指導 【280】社員に対する資格取得援助費用の返還請求は可能か 【281】製造業や飲食業を中心に正社員が不足傾向 【282】仕事に関係のないウェブサイトの閲覧 【283】健康保険料率の上限が2008年度から引上げ 【284】企業におけるパワー・ハラスメント防止対策 【285】育児休業取得者増加への対応が重要に 【286】出産手当金の対象者・受給額の変更 【287】健康保険法改正でどうなる 【288】若年者をとりまく厳しい雇用環境 【289】民間給与が8年連続でダウン 【290】転職で失敗しないために必要なこと 【291】雇用保険料率が引き下げられます
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