2006年12月11日(月) <第1710号> ■労働・経営■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【291】雇用保険料率が引き下げられます - ……………………………………………………………………………………… ○0.25ポイント引下げ 失業手当などの原資となる雇用保険の保険料率が、2007年度に0.25ポイント引き下げられることが確実になりました。厚生労働省が9月14日まとめた雇用保険の2005年度決算で、雇用情勢の改善を背景に保険収支が大幅に好転したことが要因です。 雇用保険の料率が引き下げられるのは1993年度以来14年ぶりのことです。 ○雇用保険制度の概要 雇用保険制度は、労働者が職を失った場合に失業手当を支給するなど、雇用や生活の安定を目的として国が保険料を徴収して運営する制度です。 失業手当のほか、職業訓練などを提供する「雇用保険三事業」の2つの制度があります。 (1)失業等給付 (2)雇用保険3事業 1)雇用安定事業 2)能力開発事業 3)雇用福祉事業 ○全体で少なくとも0.25ポイントの引下げ 失業手当の保険料は、現在、給料の1.6%を労使で半分ずつ負担しており、来年度の改定で少なくとも0.2ポイント下がり、1.4%になるようです。 労働政策審議会で調整され、年内にも正式決定されますが、厚生労働省は下げ幅をさらに広げることも検討しているようです。また、同省は、失業手当以外の保険料率も0.05ポイント下げることも決めました。 能力開発など雇用保険関連の三事業向け保険料について、現在は企業側だけ給与の0.35%分を負担しているものが、来年度から0.3%になるようです。 <0.25ポイント引き下げ時の保険料率/一般の事業> <負担義務者> 被保険者 事業主 事業主 <雇用保険率> 失業等給付に係る率 3事業に係る率 現在 19.5/1000 8/1000 8/1000 3.5/1000 改正後 17.0/1000 7/1000 8/1000 3.5/1000 雇用保険料は、バブル崩壊以降、雇用情勢の悪化で失業手当の受給者が急増したのに伴い引上げが続いていました。2002、2003年度には、保険料率が合計0.4ポイント上がり、現在の1.95%は1975年に制度が始まって以来、最高水準にあります。 <バックナンバー> 【268】「マザーズハローワーク」の現状と課題 【269】晩婚・晩産化で女性の労働力が上昇 【270】成果主義賃金訴訟で社員逆転敗訴の判決 【271】外国人の従業員を雇う場合の注意点 【272】雇用保険 65歳以上でも新規加入が可能に 【273】コーポレートガバナンスを学ぶ 【274】賞与をめぐる状況 【275】2005年度の概算医療費が過去最高に 【276】雇用保険の基本手当日額が変更 【277】「地域別最低賃金」を2年連続引上げへ 【278】「労働審判制度」の利用状況 【279】横行する偽装請負と労働局による是正指導 【280】社員に対する資格取得援助費用の返還請求は可能か 【281】製造業や飲食業を中心に正社員が不足傾向 【282】仕事に関係のないウェブサイトの閲覧 【283】健康保険料率の上限が2008年度から引上げ 【284】企業におけるパワー・ハラスメント防止対策 【285】育児休業取得者増加への対応が重要に 【286】出産手当金の対象者・受給額の変更 【287】健康保険法改正でどうなる 【288】若年者をとりまく厳しい雇用環境 【289】民間給与が8年連続でダウン 【290】転職で失敗しないために必要なこと
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