2006年8月2日(水) <第1579号> ■労働・経営■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【257】病院で保険が使えない場合に要注意 - ……………………………………………………………………………………… ○「混合診療」の禁止 健康保険証を使って病院等で治療を受けると、通常は治療のすべてが保険の対象となり、患者は年齢等に応じて、かかった医療費の1〜3割を負担します。保険がきかない全額患者負担の治療などを保険診療と一緒に実施する「混合診療」は一部の例外を除き禁止されています。 ○「混合診療」の適用範囲拡大 日本の医療制度では、全国民が費用の心配をせずに治療を受けることができるよう、保険が利用できる診療を重視し、患者の自費診療を交えることを認めてきませんでした。 とはいうものの、保険対象となっていない最先端治療などを、できるだけ少ない負担で受けたい患者にとっては、このような制度は硬直的にも映ります。 実際、保険がきかない診療を増やしたほうが保険財政の負担が少なくて済むといった思惑もあるようです。その中で、政府は例外的に混合診療を認める範囲を除々に拡大してきています。その一つに「高度先進医療」制度があります。 ○「高度先進医療」制度 「高度先進医療」制度は、保険未適用の高度な医療技術部分だけを患者の自費診療とし、その他の検査などには保険を適用する仕組みであり、「高度な技術を持つスタッフや設備がある」と承認された病院だけが実施できることとなっています。 平成18年6月現在で、承認された高度先進医療は101種類あり、そのいずれかを取り扱う病院は113件となっています。 ○違法な混合診療が判明した場合 違法な混合診療が行われた場合、その医療機関は処分の対象となります。悪質なケースであれば保険が使える医療機関としての指定を取り消されることもあり得ますし、また、医療機関が保険で請求した費用について無効となり、返金されることもあります。 ただ、患者が全額自己負担で払った費用部分は保険制度の枠外ですので、返金などについては患者と医療機関の間での話し合いとなるようです。 <バックナンバー> 【245】診療記録をITで提供 【246】支給日前に退職する者への賞与不支給は可能か 【247】早朝や深夜の出張のための移動は時間外労働か 【248】社員のブログでの書込み 【249】新入社員と上司がそれぞれに求めたことは何か 【250】取引先からもらったチケットを売るとダフ屋行為になるのか 【251】パートタイム労働者の活用が重要に 【252】高額医療費の申告漏れ防止のための通知サービス開始 【253】米国の年金を申請するには 【254】健康保険・厚生年金保険の報酬の支払基礎日数が変更 【255】「最低賃金」って何 【256】国によって「少子化社会」に対する意識が違うのか
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