2006年2月26日(日) <第1422号> 
 
                         ■労働・経営■ 
 
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                       - 【206】名刺大の小冊子でできること -  
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 名刺大の小冊子に、経営理念をまとめている会社があります。毎年1月1日に発行して、社員全員胸ポケットに入れています。取引先や出入り業者の方にお配りすることもあります。 
 
 小冊子は、社長の思いに始まり、社長の使命宣言、経営理念、経営ビジョン(我が社のあるべき姿・我が社の目標)、会社の使命・目的、信条(クレド)、事業領域、価値観、教育理念(職業観・人生観・人間観)、人事理念、会社の行動指針、日常の心構え、営業の心得、今年の合言葉で終わります。 
 
 社長の思いでは、社長の事業に賭ける思いを率直に綴っています。以下に引用します。 
 
 「私は28歳で職業として○○に出会い、今年で15年になります。この15年間、1つの○○で数多くの人々と出逢いをもちました。1つの○○を通じて、お付き合いをいただき、なおかつ学ばせていただけることに感謝の気持ちでいっぱいであります」「私は、○○を伝統文化の一つととらえ、社会に広めてゆきたいと思います」 
 
 社長の使命宣言は5つありますが、3番目に「適正な利益をいただき、社員の豊かさと、より良い商品開発・設備投資にむけ、お客様に還元します」を挙げ、売上至上主義ではなく適正利益第一主義を宣言しています。 
 
 経営理念は、「CREAN&HEART 信頼と真心をおとどけしよう」です。社長の思いを凝縮したものです。 
 
 事業領域では、「私たちは、○○地区を事業展開地域と考えています。私たちは、毎日・または週3便お届けする新鮮な○○とともに、お店で必要な外食産業用資材を多品種・小ロットで必要な分量のみお届けします・弊社がお店のバックヤードとなります。私たちのネットワークが、お客様をきめ細かくサポートできることを目指します」と、営業地域・業務内容を明確にしています。この事業領域で、従業員が目指すべきこと、判断基準を具体化しています。 
 
 価値観の冒頭では、「私たちは、法令・倫理を犯してまで、利益を追求することはいたしません」と法令遵守を強調しています。 
 
 今年の合言葉は、「守る」です。以下に引用します。 
 
 「やらなければならないことは必ずやる。そして、必ずやらせる。やってはいけないことは、絶対やってはいけない。絶対やらせてはいけない」 
 
 名刺大の小冊子でできることは、成果主義賃金制度やコンピテンシーよりも、ずっと大きいかもしれません。 
 
<バックナンバー> 
【200】受動喫煙で病気になったら 
【201】育児休業後、元の職場に戻ることはできる 
【202】女性が働きやすい職場とは 
【203】派遣なのか請負なのか 
【204】居酒屋でのけんかで処分される 
【205】タクシー運転手の最低賃金
 
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