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2005年5月12日(木) <第1132号>

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                    - 【128】退職金の受け取り方 -
     ………………………………………………………………………………………
 第二の人生の貴重な財源である退職金ですが、税制適格年金の平成24年の廃止が決定しているなど、企業が制度の見直しを進める中、どのように受け取れば退職者に有利なのか、その判断が難しくなっています。
 
 どの受け取り方が得なのかについては、税金や自らの生活設計など、考慮すべき材料が多くありますので、人生設計を確認しながら、自らで判断するしかありません。

 ○ 退職金とは
 退職金は給料とは違って労働の対価ではないため、使用者にとって支払う義務はありません。また、退職金について、法律上必ず支払わなければならないという規定ありません。就業規則等で定め、支給基準が明確にされている場合に、労働条件の1つとして保護されるものです。

○ 退職金の性質
 退職金は本来、使用者が任意に恩恵的に支給するものであるので、はじめから退職金制度がなければ、退職金の支払義務は発生しません。

 退職金の性質としては一般的に「功労報償」、「賃金の後払い」、「老後保障」という考え方があるとされています。

○ 一時金で受け取る
 退職金を一時金で受け取ると「退職所得」として勤続年数に応じた控除を受けることができ、控除された金額のさらに1/2に対して税率がかけられます。

 また、控除を超える分についても他の所得とは分離課税されます。退職金の性質を考慮し、税制面ではとても優遇されていることがわかります。

○ 年金で受け取る
 退職金を年金で受け取ることができる企業年金制度を取り入れている企業は多くありますが、年金制度があっても、一定の条件を満たさなければ受給できないなどの要件が定められている場合がありますので、自社の制度を事前によく確認しておく必要があります。

 年金形式で受け取ると、国民年金や厚生年金などと合わせて、公的年金等控除を超える分については、雑所得として課税されます。

 なお、再就職などで収入があれば、額に応じて税率が上がることもあります。

 数年前までは、"長い目でみれば年金で受け取る方が得"というのが常識でしたが、年金換算率(原資を運用する際に会社が保証する利回りのこと)を下げる企業が増え、一概にそうは言えなくなってきています。


<バックナンバー>
○ 井上 充さん
【 61】タクシー運転手と請負
【 62】タクシー運転手という仕事
【 63】雇用情勢
【 64】高齢者雇用の取組み
【 65】NEET(ニート)
【 66】技能系社員登用制度
【 67】個人業務委託
【 68】労働形態の多様化
【 69】雇用対策の転換
【 70】採用の良否
【 71】派遣労働者の現状
【 72】新卒者内定状況
【 73】ICという働き方
【 74】某社人事担当者の悩み
【 75】営業マンの休憩時間
【 76】オーケストラの年収
【 77】労働時間延長に動く独企業
【 78】就業促進手当
【 79】第三者行為労災について
【 80】プライバシーマーク
【 81】改正労働基準法
【 82】過労自殺
【 83】私的メールのモニタリング
【 84】ビジネスマンが重視するものは
【 85】社員の起こした交通事故について
【 86】基本4情報の漏洩
【 87】聖域を外部委託した生保
【 88】医療機関の個人情報保護
【 89】生命保険の手数料
【 90】プライバシーマーク・認定申請増える
【 91】カンタン個人情報保護対策
【 92】求職活動支援書
【 93】改正代金法
【 94】成績不良と解雇
【 95】市場化テスト
【 96】セクハラ相談
【 97】給与計算の変更点
【 98】ADRって何?
【 99】悪用される全喪届
【100】信用と取引信用保険
【101】保険料の節約法
【102】労働福祉事業と雇用保険三事業
【103】年金暮らしと税金
【104】年俸制について
【105】65歳までの雇用確保が義務付けられます
【106】労働組合法が改正
【107】育児・介護休業法が改正
【108】会社を退職した方が創業する場合の助成金
【109】ストックオプションの利益は給与所得
【110】人事考課
【111】成果型賃金制度導入の難しさ
【112】賃金体系の変遷
【113】2007年問題
【114】大規模小売業への排除勧告
【115】退職システムの複線化
【116】ライフシェア5箇条
【117】能力評価基準の策定
【118】労災保険料の業種区分を細分化へ
【119】国民健康保険法
【120】営業の練習
【121】高年齢者の賃金設定
【122】残業代未払い問題
【123】現場力の伝承と安全対策
【124】雇用改善に地域間、男女間、世代間の格差
【125】通勤災害制度の対象を拡大
【126】次世代法の行動計画は策定されましたか
【127】X理論とY理論

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