2005年4月28日(金) <第1118号> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【123】現場力の伝承と安全対策 - ……………………………………………………………………………………… 茨木商工会議所65歳継続雇用達成事業で行ったアンケートによると、高齢者を継続雇用する理由として、 ○ 「熟練経験者の確保」 ○ 「高齢者雇用への社会的要請、公的年金制度の改正等に配慮して」 ○ 「高齢者に適した仕事がある為」 が挙げられ、それぞれ39%、25%、14%の割合を示しました。 わが国産業の基盤は、現場の人材力すなわち現場力であると指摘されています。この現場力の多くが、団塊の世代の引退と共に消失するのではないかと危惧されています。職場での経験を通じて高めた技術・技能は、マニュアル化するには困難な、いわゆるアナログ的な能力、すなわち暗黙知です。この現場力を次世代に伝承することができるのも、あと10年程度でしょう。 ところで、同アンケートによると、高齢者を継続雇用する上で改善した点として、「作業環境」(4%)、「作業設備」(1%)、「安全衛生管理」(2%)、「福利厚生施設」(1%)が挙がったに過ぎません。 労働者災害補償保険の給付データから労働災害発生率を年1,000人率に換算してみると、全産業において30歳〜39歳の2.0に比べ、60歳以上は6.5と、3倍超の発生率を示していることがわかります。 高年齢者の災害の特徴は、 ○ 転倒が際立って多い ○ 負傷の種類としては骨折の比率が高い ○ 治癒までの日数が長い という点にあります。 高年齢者の安全確保のためには、床面の段差には傾斜をつけて、つまずきの原因となる段差を除去したり、階段に滑り止めを設置したり、作業床の凸凹の除去、床面の清掃を徹底することなどが大切でしょう。 高年齢者の継続雇用に関しては、公的年金の支給開始年齢との接合に関して注目が集まっていますが、高年齢者の技能の伝承と安全対策にも十分な配慮が欠かせないのではないでしょうか。 <バックナンバー> ○ 井上 充さん 【 61】タクシー運転手と請負 【 62】タクシー運転手という仕事 【 63】雇用情勢 【 64】高齢者雇用の取組み 【 65】NEET(ニート) 【 66】技能系社員登用制度 【 67】個人業務委託 【 68】労働形態の多様化 【 69】雇用対策の転換 【 70】採用の良否 【 71】派遣労働者の現状 【 72】新卒者内定状況 【 73】ICという働き方 【 74】某社人事担当者の悩み 【 75】営業マンの休憩時間 【 76】オーケストラの年収 【 77】労働時間延長に動く独企業 【 78】就業促進手当 【 79】第三者行為労災について 【 80】プライバシーマーク 【 81】改正労働基準法 【 82】過労自殺 【 83】私的メールのモニタリング 【 84】ビジネスマンが重視するものは 【 85】社員の起こした交通事故について 【 86】基本4情報の漏洩 【 87】聖域を外部委託した生保 【 88】医療機関の個人情報保護 【 89】生命保険の手数料 【 90】プライバシーマーク・認定申請増える 【 91】カンタン個人情報保護対策 【 92】求職活動支援書 【 93】改正代金法 【 94】成績不良と解雇 【 95】市場化テスト 【 96】セクハラ相談 【 97】給与計算の変更点 【 98】ADRって何? 【 99】悪用される全喪届 【100】信用と取引信用保険 【101】保険料の節約法 【102】労働福祉事業と雇用保険三事業 【103】年金暮らしと税金 【104】年俸制について 【105】65歳までの雇用確保が義務付けられます 【106】労働組合法が改正 【107】育児・介護休業法が改正 【108】会社を退職した方が創業する場合の助成金 【109】ストックオプションの利益は給与所得 【110】人事考課 【111】成果型賃金制度導入の難しさ 【112】賃金体系の変遷 【113】2007年問題 【114】大規模小売業への排除勧告 【115】退職システムの複線化 【116】ライフシェア5箇条 【117】能力評価基準の策定 【118】労災保険料の業種区分を細分化へ 【119】国民健康保険法 【120】営業の練習 【121】高年齢者の賃金設定 【122】残業代未払い問題
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