2005年4月6日(水) <第1096号> <バックナンバー> ○ 目からウロコ 【01】"どうしようもないお役人" 【02】"顔に不自由している人" 【03】"相手の立場から物事が見える人" 【04】"私心が無い人 " 【05】"賢い人(1)" 【06】"賢い人(2)" 【07】"賢い子(1)" 【08】"フリップフロップする人" 【09】"賢い人(3)" 【10】"賢い子(2)" 【11】"賢い子(3)" 【12】"賢い子(3)" 【13】"陽気な人(1)" 【14】"賢い親(1)" 【15】"賢い親(2)" 【16】"当たり前にする人" 【17】"地道な努力家" 【18】"笑顔で接する人" 【19】"相手に好かれる人" 【20】"成果主義は×" 【21】"自己を○○している人" 【22】"別れない夫婦" 【23】"成功している人" 【24】"影響を及ぼしている人" 【25】"コミュニケーションがとれている人" 【26】"リーダーシップがとれている人" 【27】"子どもの遊び場をどう確保するか" 【28】"共感性をもっている人" 【29】"認知できる医師" 【30】"手強い社長" 【31】"若い経営者" 「あっ、そうか!」(第32回) − 目からウロコが落ちる、人間模様(人のタイプや人間の関係)を知る − あなたの身の回りにあなたを叱ってくれるひとがいますか。 ┏━━━━━━━━━━━━━┓ ┃【32】部下を動機付けるA部長 ■■■■■■■■■■ ┗━━━━━━━━━━━━━┛ あっ、そうか、どの世界でも新人は叱られている間が「花」なんだ! 勝ち組企業に共通するのは商品力と経営意思決定のスピードであり、「部下を叱ることのできる幹部」の存在が必ずあります。「叱る」目的は部下の指導と成長にあります。 全国展開する甲社のA部長は他部門の次長でしたが、1年前に部長に就任しました。同部門は2年連続で赤字が続き、部門の存廃が検討されていました。部内は暗く不満が充満しており、挨拶すらまとも行われていない状態でした。 A部長はメンバー一人ひとりと面談し、具体的な目標値とその実現方法を決めました。そして毎日「叱る」「誉める」を繰り返しました。 就任後3ヶ月で部下の目の色が変わってきました。そして1年後、部門の目標達成という形で開花しました。個別に面談し、1年後の姿、3年後の目標を具体的に明示し、実現に向けたスケジュールを作成することは、部下育成の原理原則です。 しかし、これが多くの会社で放置されています。そこにはマンネリと形骸化、あきらめと無気力、そして幹部にあるまじき人材の登用という悲劇があります。 A部長が次に実施したことは、「指示命令」と「報連相(ホウ・レン・ソウ)」の共有化でした。個人別の目標値・スケジュールを事務所に掲示し、朝礼時に会議決定事項の進捗状況を確認しました。 さらに、社内LANの「掲示板」に個人別の指示や報告を載せ、全員が内容を確認できるようにしました。またメンバーに対し、1日1回必ず「掲示板」を見るよう義務付けました。 これにより部門全体の動きがオープンとなり、各人の役割意識が飛躍的に向上しました。報告・連絡が当事者同士だけになってしまい、方針の徹底に時間がかかるケースは多い中、口頭の報告を習慣化するのは必要不可欠ですし、さらに「指示」「報連相」の共有化を進めています。これは、同部門が目標達成に至った大きな要因でした。 1年を通してA部長が行ったのは、メンバーの成長をきめ細かく観察し、成長に合わせて部門の目標値(ゴール)を再設定し、実施したことにありました。 (エッセイスト 大前乃英雄)
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