2005年2月4日(金) <第1035号>
■労働・経営■
<バックナンバー>
○ 井上 充さん
【61】タクシー運転手と請負
【62】タクシー運転手という仕事
【63】雇用情勢
【64】高齢者雇用の取組み
【65】NEET(ニート)
【66】技能系社員登用制度
【67】個人業務委託
【68】労働形態の多様化
【69】雇用対策の転換
【70】採用の良否
【71】派遣労働者の現状
【72】新卒者内定状況
【73】ICという働き方
【74】某社人事担当者の悩み
【75】営業マンの休憩時間
【76】オーケストラの年収
【77】労働時間延長に動く独企業
【78】就業促進手当
【79】第三者行為労災について
【80】プライバシーマーク
【81】改正労働基準法
【82】過労自殺
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- 【83】私的メールのモニタリング -
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情報漏洩対策は、技術的対策・物理的対策・システム対策・人的対策の4つの視点から検討する必要があります。
人的対策としては、採用時の審査、誓約書の提出、倫理教育、オペレータの匿名性確保、退職時の手続きなどがあります。
「企業機密の漏洩に関するアンケート」(2002年8月20日付日本経済新聞社)では、企業機密の漏洩防止に対応するため社員の電子メールを監視している企業が42%ありました。
上司から執拗に飲食の誘いを受けた女性会社員が、夫に「上司は細かい上、人間関係にまで口を出す」などと会社から夫に電子メールを送りました。上司はこの女性社員の電子メールを自動転送するようにしました。電子メール監視行為がプライバシー侵害に当たるかで争われました。
2001年12月の東京地裁の判示では、上司の監視行為は適当ではないが、社内ネットワークは一定範囲で通信内容等が記録され、会社側がネットを監視し保守管理しているのが普通と指摘して、電話よりもプライバシー保護の範囲を狭く認定しています。
企業機密や個人情報の漏洩防止の観点から社員を監視する行為は、社員の個人情報保護の観点から十分配慮して行わなければなりません。
厚生労働省は、2000年12月に「労働者の個人情報保護に関する行動指針」を策定しています。この指針では、個人情報の処理に関する原則を定めています。
使用者は人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となる恐れのある事項、思想、信条および信仰、労働者の労働組合への加入または労働組合活動に関する個人情報を収集してはならないとしています。
電子メールについても、モニタリング内容を事前に通知することを求めています。
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