2004年5月18日(火) <第895号>
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【最適設計】
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<復活!乱視点>
【01】学歴無用論
「会社を選ぶのは社員」
「違うな、と思ったら転職してほしい」
「1度きりの人生を大切に」
○ 技術開発事例紹介
<バックナンバー>
【01】〜【29】
【30】節税としての個人型DC
【31】サービス残業
【32】事前指定書
【33】解雇に関する法改正
【34】有期労働契約に関する改正
【35】社会保険加入は調査後からという採決
【36】65歳まで雇用義務づけ
【37】暗黙知と形式知
【38】労災保険料を安くする
【39】年金に関する2つの誤解
【40】非正社員と正社員
【41】会計検査院の実地検査
【42】役員の社会保険料を節約する
【43】業務時間中の私用
【44】苦しいときの労働保険料
【45】離婚時の年金分割
【46】平成16年年金改正
【47】年次有給休暇の継続性
■労働・経営■
毎週火曜日は、社員や経営者の身の回りで起きている労働や経営の問題全般について社会保険労務士としてご活躍、また埼玉経営労務研究所代表でもある井上 充さんにコラムをお書きいただいています。
┗≫●掲載した内容についてご関心がある方は--->>>メールでこちらまでお問い合せ下さい。
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- 【48】保険料納付の政府広報 -
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国民年金の保険料納付を強く勧める政府広報に出演している有名女優が、実は国民年金の
保険料を納めていなかったことが、このほど明らかになりました。
野党は、社会保険庁に対して責任追及したうえ、年金制度関連法案の審議前に、この女優を
国会に参考人招致することを求めました。
これに対して、厚生労働大臣は、社会保険庁のミスに苦言を呈し、一部の報道機関からは
損害賠償問題に発展する可能性も報じられています。
広報に出演する女優が保険料を納付しているかいないかは、広報発注元の社会保険庁の
管轄であり、その確認は何の雑作もないはずです。
この政府広報は、昨年11月から約1カ月間放映され、「将来泣いてもいいわけ?」と立て膝で
睨みつける女優のポスターも話題になりました。
ところが、国民に「将来泣いてもいいわけ?」と呼びかけた当の社会保険庁が、とんだトラブル
に泣くハメになったという次第です。
保険料未納の女優を、保険料納付を勧める目的の広報に出演させる社会保険庁の仕事振り
にこそ、今回のような事態を招いてしまったそもそもの要因があることは言うまでもありません。
これは、社会保険庁の一担当者のミスではなく、社会保険庁に内在する官僚制の問題では
ないかと思えます。
官僚制の逆機能といわれるものとして、3つがあります。
○ 訓練された無能力
訓練された無能力とは、以前の状況下で適切な行動パターンだったものが、状況変化の
後にも持ち越されてしまい、そのまま継続的に繰返されてしまうことをいいます。
○ 職業的精神異常
職業的精神異常とは、同じ仕事を繰返すことにより、人々に特別な好み、嫌悪、識別、強調
の癖が発生してしまうことを意味しています。
○ 目標の転移
目標の転移とは、規則を守ることが手段であったにも関わらず、それがいつしか自己目的に
変化してしまうことを指します。
年金不信がさらに高まれば、健全な年金運営がより困難になります。このスキャンダルが、
年金改革に悪影響を及ぼさなければいいのですが。
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