2004年5月6日(木) <第883号>
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【最適設計】
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<心と脳>
【04】どうして他人の心が読みとれるのか
○ 名作「東京物語」の一場面から
母親が死の床に伏しており、その周りを子どもたちが囲んでいます。
その場面では、子どもたちの身体が、同じ方向に傾いています。子どもたちは、示し合わせて、意識的に同じ方向に身体を傾けているわけではなく、母親を悼む気持ちがお互いに作用しあって、自然(無意識)に母親の方に身体が傾いていきます。
これは人間における無意識のうちに共感する能力を表しています。
○ 「他人の痛みがわかるような子どもになってほしい」
他人が悲しんでいれば、自分も悲しみ、他人が喜んでいれば、自分も喜びます。
また、相手が泣いたときに、自分も泣く。相手が笑ったときに、自分も笑う。
これもまた、相手の心の状態に感応する能力です。
他人に共感する能力は、人間が社会生活を円滑に営む上で欠かすことのできないものです。
<バックナンバー>
【01】〜【21】
【22】伸びる人材と企業の見極め方
【23】現況調査時の現物確認
【24】法人税関連項目のチェックポイント
【25】「みなし大会社」
【26】医師の事業所得の確定申告
【27】消費税法第63条の2(価格の表示)について
【28】会社の「実行度・徹底度」
【29】総額表示方式の実施(公正取引委員会のQ&A)
【30】住宅ローン控除
【31】経常利益を大きくする
【32】業種区分(自ら開発したゲームソフトを量販した場合)
【33】贈与税の配偶者控除
【34】請負契約と委任契約の判断(印紙税)
【35】労働基準法等による金銭の取扱い
【36】事例に学ぶ病院の生き残り戦略
【37】生計を一にする
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【38】試験研究費の総額に係る税額控除制度
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○平成15年度の税制改正による創設
青色申告書を提出する法人または個人について、増加試験研究費の税額控除制度との
選択制で、試験研究費の支出総額に対して、次の控除割合により算出した税額を控除する
ことができます。ただし、当期の税額の20%相当額が限度となります。
●恒久的措置
8%+試験研究費割合×0.2%〜10%
●3年間の時限措置
10%+試験研究費割合×0.2%〜12%
改正前においては、「増加試験研究費の税額控除制度」が、試験研究費が増加した場合に
その増加分だけ税額控除が行われるという制度であったのに対して、この試験研究費の総額
に係る税額控除制度は試験研究費の支出があれば適用できる制度なので、多くの法人に
税額控除の可能性がある為、決算の際に留意しなければならなりません。
○試験研究費割合の計算
<試験研究費割合 = 試験研究費の額/平均売上高>
この平均売上高は、当期を含む4年間の平均の売上高をいい、棚卸資産の販売その他の
事業として継続して行われる資産の譲渡及び貸付けならびに役務の提供による収益の額を
いい、営業外の収益を除くこととなっています。
つまり、継続的な賃貸収入などを本来の売上とは別に営業外収入としているようなケースは、
この売上高から除かれることになると思われます。
○「増加試験研究費の特別控除制度」との選択
●増加試験研究費の税額控除額の算式
<(支出試験研究費−比較試験研究費)×15%>
●選択のポイント
増加試験研究費の税額控除制度は、控除割合が15%なので、総額試験研究費の税額控除
制度よりも有利になる可能性があります。
・設立間もないベンチャー企業など
はじめて試験研究費の支出をするようなケースは増加型が有利となります。
ただし、設立事業年度だけは適用ができません。
・経費削減のために、しばらくの間試験研究を行っていなかった法人
支出試験研究費から控除する比較試験研究費は、適用年度の開始の日前5年以内に開始
した各事業年度の試験研究費の額を基に算出されるので、過去5年以上支出試験研究費が
ない法人が試験研究費を支出するような企業は増加型が有利となります。
・試験研究費の額が大幅に増加した法人
増加型の方が控除割合が大きいので、大幅に増加した場合には増加型の方が有利となる
可能性が高いです。ただし、控除できる限度額について、増加型は法人税額の12%に対して、
総額型は20%であるとともに税額控除限度超過額の繰越控除も認められています。
したがって、試験研究費が大幅に増加するような事業年度は利益が得られずに法人税額も
少なくなる可能性があるのでこの限度額も判定の際には留意しなければなりません。
● 「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
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