2003年11月20日(木) <第715号>
■「奈穂の税務相談」■
┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
- 【16】中小製造業における職場改善活性化のノウハウ -
………………………………………………………………………………………
意欲的に経営を続けている企業はやはり地道に活動を継続しています。
<職場改善活動を活性化させるための3つの前提条件>
いわゆる企業風土ともいえるもので、職場をとりまくその企業そのものの土壌に拠るところが極めて大きいのです。
○経営者の正しい理解と熱意(第1の条件)
"正しい理解"としたのは職場改善活動に対して余りにも性急な効果を期待する経営者が多いことによります。改善活動を導入するとすぐにでも売上高が伸びる、不良率が低下する、ロスが減るなどです。
こうした経営者のはやる気持ちは理解できますが、性急な期待感が先行すると従業員自身がかえってやりづらくなります。従業員のモラール(改善に対するやる気)を喚起し、成果へと結実させてゆくまでにはある程度の助走期間を要することは覚悟しなければなりません。
また熱意という面では、社内の誰よりも強いものをもっていなければなりません。"この活動が我が社を変えてゆくのだ"という信念・熱意は、幹部・従業員以上にもっていないと成功しません。
○幹部陣・事務局のキメ細かいフォロー(第2の条件)
従業員による自主的な改善活動であるからといって放任に陥ってはなりません。従業員レベルで活動を進めていると必ず壁に突き当たります。放っておけば頓挫してしまう危険があります。リーダーのストレスと精神的負担が高まるとともにメンバーの不満が昂じます。
その繰り返しがやがては改善活動不活性化へとつながってゆきます。幹部陣のフォローがこの時一番必要になってきます。親身になって相談にのってやり、問題点を乗り越えるためのアドバイスや方向付けをすることにより次の段階へとつながります。
○仕事に対する従業員の前向きな姿勢(第3の条件)
職場改善活動を導入したがどうも活性化しないという中小製造業の多くは、実は自社の実態(欲求充足のどの段階にあるのか)を無視して始めるところが多く、そのため失速する場合が多いのです。
このように職場改善活動を成功させるためには、以上述べた3つの角度からの条件がすべて揃うことが必要不可欠の条件です。つまり、職場改善活動はこの3つの条件のいずれが欠けても決して成功しないのです。
<職場改善活動を活性化させるための具体的方策>
○経営方針書に組み込んで全社的な活動として位置付ける
経営方針書は今期1年間におけるトップの基本方針や組織を構成する各部門の実施項目と具体策を集約したものであり、ある意味ではその企業のバイブルともいえる重要なものです。
その経営方針書の中に、全社的な活動の中で従業員全員参加の改善活動を今期経営方針の重要な実施項目として位置付けることによって、従業員自身も改善活動の位置付けを知ることが出来ます。
○従業員に対する動機付け・問題提起をしてやり、
今何がこの職場の重点なのかを明確にする
製造部門においては製造部門従業員が具体的に何をどのように改善すればいいのかを明示します。このためには、
・会社方針・生産部方針・工場方針など従業員の目指すべき目標を明示(掲示)する
・それに対する現状の問題点と達成状況の明示(設備稼働率、製品・工程不良率、生産及び不良率の改善達成率、出勤率、低減率など)で現状の課題を認識させる
・資格保有状況等の掲示
・個人別スキルの掲示
・改善提案目標(全社、各工場・職場単位)の設定と実績の掲示
等、特に従業員に目に見えるかたちで、やって欲しいこと・現状の問題点を分かりやすく伝えることがその突破口です。
○『提案しよう』とする従業員の姿勢を重視する
大切なことは、単なる思い付きではあってもアイデアとして評価に値するものとして従業員が自ら改善にチャレンジする"姿勢"を重視してやることです。
○処理の迅速化を図る
改善提案活動の場合、提案した本人は結果を早く知ることを望んでいます。従って少なくとも月に1回は評価する機会を設けることが必要です。その具体的なやり方は以下に述べる通りです。
・提案は毎月月末に締める。
・各職場責任者は内容チェックの上、単なる思い付きや評価に値しないもの等と委員会にかけるものを判断する(各職場責任者による1次審査)。
・単なる思い付きや評価に値しないものは台帳に記入後、本人に返却(各職場責任者によりコメントを記入して)。委員会にかけるものと判断した案件は委員会へ提出します。
○出すことを促進する雰囲気づくり
従業員に改善提案を求める場合には、提出することを促進する雰囲気づくりが必要です。このためには、
・各職場内に提案数・目標達成率を職場の良く見えるところに掲示する
・重点テーマを設け、期間を定めキャンペーンを実施する
・優秀提案者の写真と案件を掲示する
・年間優秀者・優秀職場の表彰を行う
等、改善の糸口をつかみやすくするための工夫・やる気にさせるためのムード作りが大切です。
<職場改善活動を活性化させている事例>
改善提案年間1人100件を目標に活発な活動をつづけている会社
○工場の周りには四季を通じて常に花が咲いている
○工場内外の5Sが行き届いており、ゴミひとつ見当たらない
○工場の入り口には工場が目標としている改善すべき各項目とその達成度が一目で判
断できるようにグラフ化・ビジュアル化され、誰がみても直ぐに全容がわかるように工夫されている
○工場内がカラーで管理されており、安全最優先を貫きながらもQCDの管理が徹底されている
○従業員の接客マナーや工場内における基本動作も他社のモデルである
●「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏ ┏
|
← Prev News Index Next→
|