2003年10月23日(木) <第687号>
■「奈穂の税務相談」■
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- 【12】交際費の定義と税務調査への対応 -
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○交際費等とは
税法上、交際費等とは「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう」と定義されています。この税法上の「交際費等」の範囲は社会通念上の交際費とはいささか異なり、会社が交際費として経理したもの以外も含まれ、その範囲はかなり広いものとなっています。税法上「交際費等」にあたる要件は以下のおりです。
<支出の目的>
事業関係者との間の親睦の度を密にして取引関係の円滑な進行を図ること
<支出の相手方>
直接に法人が営む事業に関係のある者、間接に法人の利害に関係のある者、法人の役員、
従業員、株主等
<支出の行為>
接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為
すなわち、会計処理上では会議費や福利厚生費などの他の費目に計上していても、上の要件に該当するのであれば税務上の「交際費等」に含まれることになります。それゆえ「何が交際費にあたるのか」ということで税務上の問題が発生してきます。
○支出の目的について
上記の支出の目的についてはその実質が問われてきます。いわゆる名目上の交際費だけではなく、「交際費、接待費、機密費その他の費用」と規定されているように、交際費等に該当するか
どうかは、その実質的な性格によって判断されます。
また支出の相手方についても直接に取引関係のある者だけでなく、間接的な利害関係を有する者もその範疇に含まれていることに注意です。例えば、製造業の場合にはその直接的な取引先である卸売業者のほかに、その卸売業者と取引のある小売業者もその範囲に含まれます。
同様に行為の形態についても、「接待、供応、慰安、贈答その他これに類する行為」となっているので、交際等のために直接に支出するものだけでなく、それに伴って支出された一切のものを含むというものです。例えば、得意先を接待する際のタクシー代などもこの範疇に含まれます。
このように交際費等の範囲は、一般的な交際費の概念よりも広いものとなっています。
したがって、税務調査では、交際費等が他の科目で処理されていないか、役務の対価の有無、法人の事業目的にかなったものであるかなどが問われてきます。
それゆえ取引の内容を具体的に記録しておくことが大切です。すなわち支出の相手先、金額、内容を記帳し、領収書等がない場合には支払証明書等を作成し、案内状や礼状等も添付しておきます。また、特殊な事情がある場合にはその事実も記載しておくことも必要です。
●「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
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