2003年10月22日(水) <第686号>
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「フリーターが急増するのは、企業の人事の仕方に問題があるのではないか。
ある出版社では、採用する出身大学の枠が、早稲田、慶応、東大、京大など
有名大学出身しか採らないと言うことが社員募集に堂々とかかれていて驚いた。」
大手出版社8社
角川書店 講談社 光文社 集英社 新潮社 中央公論新社 徳間書店 文藝春秋
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- 【9】「今どきの子ども」(続き) -
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世間では新規高卒者への求人が1990年代初めの8分の1近くまで減っている今、高卒でフリーターになる若者の勤労観・職業観が希薄になっていることを批判する大人たちが非常に多いですが、少なくともこの夏に私が出会った子どもたちは、世評とは違って、素直な現役高校生でした。
場当たり的な雇用施策しか打ち出せない政府役人、自らは経営責任を取らずに人減らしや高卒の採用を見送るなど雇用調整しか手だてがないと嘆く会社経営者、親が高校に期待するのは大学への進学率で高い就職率など評価しないと求人票の見方も説明しない進路指導の教諭、そして配置転換、子会社出向・転籍、リストラで再挑戦を諦めかけている父親。彼らはそんな大人の姿を見ながら、9月16日の就職試験に挑戦します。
そこで就職アドバイザーとして貴重な体験をした中から感じたことをいくつかお伝えします。
○父親
いまも昔も、私たち大人たちは国の宝である子どもたちを育てていく立場にあります。家庭で、学校で、職場で何をすべきか、子どもたちに何が出来るのかを考えたとき、特に、家庭では父親は我が子に、中学生のときから『働く』とはどういうことかをたずねてください(日本国民の3大義務の中に、教育を受けて、勤労して、税金を納める義務があります)。また(高校は義務教育ではないのに)「高校だけは出ておけ」とは言わずに、大人になってどんな仕事に就きたいか(夢の実現)の視点で、我が子の夢の実現に最も近い高校選びを我が子と一緒に話し合ってください。
そして、親たちは自分にはやりたいこと、将来の夢があったのでその実現のためにこういう仕事に就いてきたこと。働けば誰でも幸福になれる。だから、自分が幸せになるために働いていることを我が子に伝えてください。
○進路指導の教諭
全日制の普通高校で進学率が高くない進路指導の教諭にとっては、夢を実現してほしいと思うその熱意が報われないことが多いです。たしかに進路指導室では対応できない今の新規高卒の採用システム−基本的には採用企業側が学校を選んで求人票を送り、学校側は応募者を調整して推薦します。推薦を受けるのは一人1社だけ。9月に一斉に採用試験が行われ、これに合格しなかった場合のみ他の求人に応募できることになっています−を変えない限り、最初から応募の機会がない者、9月以降再試験のチャンスのない者が増え続け、さらに、成績や出席状況が悪い生徒は早い段階から就職をあきらめ、フリーターを選ぶ状況は一向に変わりません。
が、進路指導の教諭は、ご自分の進路指導の成果として、成績が不振でも言葉遣いがきちんとしている、挨拶ができる、笑顔がすてきな高校3年生が企業に採用された事実を生徒に語りかけてください。
○経営者
本気で若手労働者を採用したいのであれば、自ら、近隣にある高校の進路指導室を訪れ、自社PR(例えば、もの作りの素晴らしさなど)や会社訪問、会社説明会の申し合わせをしてください。時間を持てあましている子どもたちは、何かに興味をもつと信じられないパワー(若さ)を発揮します。
夏休み、自社に興味をもった高校生を高校から紹介してもらい、アルバイトで自社業務を体験できるなどの取り組みを期待します。
○政府
子どもたちが高校に入学した時に、進路(進学・就職)を決める上で一つの評価基準にしたい「職業適性検査」(セルフアセスメントテスト)の受験を義務づけてほしい。またその費用は国が全額を負担してください。
高校2年生に進級後、就職希望者にはセルフアセスメントテストで"適性がある"と思われる職種をもつ企業に授業科目としてインターンシップをさせてください。そうすることで就職希望者は高校3年生前に自己の適性を知ることができ、大人たちも我が子や生徒、新規高卒者が採用を予定している企業側とのミスマッチを少なくすることができます。
これら国策として、明日の日本を支える子どもたちに"夢"のある日本の復活劇を見せていただきたいと思います。
●「講話」(高校生向け)
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