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2003年7月15日(火) <第587号>

■経営・労働■

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                     - 【6】扶養の対象者とは -
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 「扶養手当」について顧問先からの質問がありましたので、併せて社会保険や税法上の「扶養」について紹介します。この顧問先は社員が10人になったので就業規則と給与規程を初めて整備したところです。

 質問の内容は、独身で会社勤め10年目の社員が、同居していない母の妹、つまり、おばを「扶養」とすることができるのかというものです。社員のおばは現在59歳で来年勤めを退職し(現在障害等級3級)年金生活に入る予定です。おばは社会保険には一切入っていませんでした。もしその社員が扶養することができるのであれば、諸手続を知りたいというのが顧問先の社長の奥様からの質問でした。

 当事務所の回答は次のようなものでした。

 一般に「扶養手当」は、各会社が独自に定める給与規程の「家族手当」や「扶養手当」のことを指します。一般的には結婚後は妻や子供を扶養することになり生活費が増加します。これを補うために各企業で一定条件の家族を扶養している場合に、「家族手当」「扶養手当」などの名称の手当を支給しています。

 ですから、別居のおばが扶養手当の対象になるかどうかは、各企業の給与規程などに記載されている扶養手当の条文を確認し手当の対象となるかどうか判断する必要があります。

 また、「扶養手当」の対象となるかどうかについては、社会保険上の被扶養者となる者を「扶養手当」の対象とする、または所得税上の被扶養者となる者を「扶養手当」の対象とするなどと定めているケースが多く見られます。それぞれの対象となるかどうかは、次のような基準があります。

(1)社会保険上の被扶養者
 被保険者の3親等以内の親族であって主として被保険者に生計を維持されているか、同居をしているかなどの条件が必要となります。
○被保険者に生計を維持されていることを条件とする人
配偶者(内縁関係を含む)、子、孫、弟妹、父母、祖父母、曾祖父母
○被保険者に生計を維持されていることに加え、被保険者との同居を条件とする人
兄姉、叔父叔母、甥姪などとその配偶者、孫、弟妹の配偶者、配偶者の父母や連れ子
※「主として生計を維持されている」状態とは、次の基準により判断します。
ただし、生活の実態とかけ離れるなど妥当性を欠く場合に は、実情に応じた認定が行われます。

(イ)同居の場合
 対象となる人の年収が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)で、被保険者の年収の2分の1未満であるときは被扶養者となります。なお、対象となる人の年収が被保険者の年収の2分の1以上あるが130万円未満で、被保険者の年収を上回らない場合は、その世帯の生活状況等を総合的に考え、被保険者の収入がその世帯の中心をなしていると認められれば、被扶養者となります。

(ロ)別居の場合
 対象となる人の年収が130万円未満(60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)で、被保険者からの援助額より少額であるときは被扶養者となります。
(被扶養者に該当している場合)
 被扶養者(異動)届を事業主を経由して5日以内に社会保険事務所に届け出ます。

(2)所得税上の扶養親族者
 扶養親族とは、配偶者以外の親族で、納税者と生計を一にしており、その者の年間の合計所得金額が38万円以下であり、青色や白色申告の事業専従者でない人のことをいいます。

(被扶養者に該当している場合)
 扶養控除等申告書に記入し会社に提出します。

「ナイス・ビジネス・パートナー」(NBP)
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