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2010年1月25日(月) <第2404号>

               − Aとのコミュニケーションをデザインする −   

美しい日本語は、あいさつ語が大部分である。あいさつ語とは、「声をかける」ことばである。
「ありがとう さよなら はい おはようございます わたくし さわやか あなた おやすみなさい 
すいません どうぞ いいえ いらっしゃいませ おかあさん ほのぼの ごめんなさい しぐれ
たそがれ はは いただきます いってらっしゃい うららか こんにちは ふるさと・・・・・・」。 
これによって、相手との距離がぐっと縮まる。この声の接触行動が自己表現の道を開く。

35.『今自分が生かされている』お母さん
小児科医(1)
「Aちゃんの残り時間は、もう限られていると思います。
次回の結果は、もっと悪いことが予測されます。Aちゃんは今は元気ですから、
今のうちにAちゃんに何をしてあげられるか、ご両親で考えてみてください」
お母さん(1)
「あのう・・・・・・、A子の命は後、どのくらいなんでしょうか?」

(3ヶ月くらいだろうか。しかし、言ってはいけないと思った。
医者ならば言わなくてはならない。
が、いま自分は人としてAちゃんのご家族に接している。
人の余命を告げるのは、神様の領分だ)
小児科医(2)
「言いません。そういうことは言いません」
(きっぱりと言った)
お母さん(2)
「そうですか・・・・・・。
それは先生のA子に対する優しさですね?では、私は聞きません」

Aちゃんが亡くなって、2年以上が経った。
お母さんは未だに、Aちゃんが死んでしまったという意味が理解できない。
闘病中に、お母さんがAちゃんに聞いた(そうだ)。
お母さん
「もし、ママが死んじゃったら、Aちゃん、どうする?」
Aちゃん
「毎日、ママはいると思って生きていく。
朝起きて、ママがいなくなったら、お仕事に行っちゃったと思えばいい。
寝る時は、お仕事でまだ帰って来ないから、先に寝ていればいい。
毎日、いると思っていればいいじゃない?」

お母さんは、Aちゃんのこの言葉によって、『今自分が生かされている』と言った。

        − 明日(1/26)は『36.元気になれることを知ったAさん』を掲載します −


<バックナンバー>
00.子どもの心をつかむ
01.事例
02.コンビニの店員の心をつかむ?
03.レストランで接客している女性
04.職場で具合の悪そうな部下を見つけた上司
05.「わかりません」と答える研修医A
06.不定愁訴(”愚痴外来”)
07.聴き遂げる
08.真摯に耳を傾ける
09.外科医と患者
10.年配の男性のお客
11.魚売り場の店員
12.不安はあるが暗くはない家族
13.ぐっと言葉を呑み込んだ上役
14.会議室から急ぎ退室する上司
15.感動した新人の頃
16.設計 Vs. 営業
17.やってられない、部下
18.気配りのよい人
19.”おとな”の夫
20.仕事で納得いかない後輩
21.話の流れを作る人
22.上司のよく使う表面的なコトバの裏のホンネ
23.大工の棟梁
24.女子社員用「社員用語集」
25.「報告」する警察官
26.普通の母親と良い母親
27.教師に対して、腹を立てている中学生
27.教師に対して、腹を立てている中学生(続き)
28.離婚した母と子
29.早口の女子大生
30.「働いてどうなるの?」と聞く若者
31.繁盛している食堂のおやじ
32.大阪の小学生
33.ふつうの患者とみごとな歯医者
34.禅師

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