2009年10月14日(水) <第2301号> − Aとのコミュニケーションをデザインする − 20.仕事で納得いかない後輩 仕事で納得いかない後輩Pが先輩Qに文句を言いにきた。 P(1) 「Qさんのおっしゃることは納得できません。 上の人たちは何を私たちを何だと思っているんでしょうか!」 Q(1) 「業務命令だから仕方ないじゃないか。とにかく早くやってくれよ」 P(2) 「R君は風邪で3日も欠勤。今週は仕事が遅れています。 それを上の人は知っていながら『早く早く』じゃ、下の私たちはたまりませんよ!」 Q(2) 「上が知っているかどうかは私は知らない。 指示通りに仕事を進めてくれと言われているだけだから・・・・・・」 P(3) 「応援を頼もうとしてもまわりは忙しそうで・・・・・・」 Q(3) 「君の仕事だろ、知恵をしぼって何とかするべきだろうが」 後輩Pは「先輩Qは少しも理解してくれない」と悲観を交えた、 挑戦的な態度になってしまった。 先輩Qが後輩Pの身になって話を聞くとこうなる。 P(1) 「Qさんのおっしゃることは納得できません。 上の人たちは何を私たちを何だと思っているんでしょうか!」 Q(1) 「ずいぶん気分をこわしているじゃないか」 (QはPの不満や怒りに対して、Pの言い分を<受容>している) P(2) 「R君は風邪で3日も欠勤。今週は仕事が遅れています。 それを上の人は知っていながら『早く早く』じゃ、下の私たちはたまりませんよ!」 Q(2) 「同情も理解もないってわけだ。一生懸命にやっているのに、ねぎらいもない。 これじゃ、やってられない・・・・・・そんなところだね」 (QはPの言い分を<繰り返し>ている) P(3) 「うーん、まあ、そうですね。応援を頼もうとしてもまわりは忙しそうで・・・・・・」 Q(3) 「こんなに忙しくては言い出しにくいだろうね」 (QはPの言い分を<明確化>して、<支持>している) P(4) 「そうです。このところみんな無理しているし、急がされると、やりきれませんよ・・・・・・」 Q(4) 「みんなに迷惑をかけるのが心苦しいんだね。君はやさしいから・・・・・・。 私にできることがあるかい?」 (QはPが答えられそうな<質問>している) P(5) 「上の人も無理を承知かもしれないし・・・・・しょうがない。何とかやってみます」 Q(5) 「頼むよ。また何かあったら遠慮なく言いにきてくれ」 先輩Qは、まず後輩Pの話を聞くという態度だから、Pの心がよくわかり、仕事の流れの中で 次の手が打ちやすくなる。 − 明日(10/15)は『21.話の流れを作る人』を掲載します − <バックナンバー> 00.子どもの心をつかむ 01.事例 02.コンビニの店員の心をつかむ? 03.レストランで接客している女性 04.職場で具合の悪そうな部下を見つけた上司 05.「わかりません」と答える研修医A 06.不定愁訴(”愚痴外来”) 07.聴き遂げる 08.真摯に耳を傾ける 09.外科医と患者 10.年配の男性のお客 11.魚売り場の店員 12.不安はあるが暗くはない家族 13.ぐっと言葉を呑み込んだ上役 14.会議室から急ぎ退室する上司 15.感動した新人の頃 16.設計 Vs. 営業 17.やってられない、部下 18.気配りのよい人 19.”おとな”の夫
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