2007年7月7日(土) <第1917号> ■労働・経営■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【333】国民年金のカード払いが可能になる - ……………………………………………………………………………………… ○公金のカード払いは初の試み 厚生労働省は、2008年初めをめどに、クレジットカードで国民年金の保険料を払えるようにする方針です。カードで払えばポイントをためることができるなど、若者を中心に低迷する納付率の向上に役立つとみられ、今通常国会に提出する国民年金法改正案に盛り込まれるようです。 カード決済だとカード会社がいったん保険料を立て替えるので、国からみれば納付者の口座の残高が足りなくても、回収リスクを負わずに済むというメリットもあります。 公金のカード払いは初めての試みであり、今後は地方税や水道料金などのカード払いにも広がる可能性があります。 ○納付手段を増やして納付率改善へ 2005年度の国民年金保険料の納付率は67.1%で、対象者の3分の1が払っていません。政府は、2006年度については74.5%を目標に掲げていましたが、目標達成は難しい状況にあります。 厚生労働省は、納付率改善のため利便性の向上を目指し、2004年2月にコンビニエンスストアでの納付、2004年4月に携帯電話やパソコンを通じたインターネットでの納付を認めてきました。2005年度の利用状況はコンビニが589万件、インターネットは14万件でした。カード決済は納付手段を増やすための第三弾となります。 ○今後の普及が課題 厚生労働省は、集めた保険料の一部をカード会社への手数料支払いに充てます。2007年度は広報、システム開発など準備費を含め1億2,000万円の経費を見込んでいます。 これまで、公金のカード払いは、カード会社への手数料支払いという財政負担が障害で普及が進んでいませんでした。政府が2006年3月に作成した規制改革の3カ年計画では、国税のカード決済の検討を打ち出しましたが、国税庁は財政負担を理由に否定的です。自治体で始まったカード払いも、まだ神奈川県藤沢市の軽自動車税など一部にとどまっています。今後の普及が課題だといえます。 <バックナンバー> 【268】「マザーズハローワーク」の現状と課題 【269】晩婚・晩産化で女性の労働力が上昇 【270】成果主義賃金訴訟で社員逆転敗訴の判決 【271】外国人の従業員を雇う場合の注意点 【272】雇用保険 65歳以上でも新規加入が可能に 【273】コーポレートガバナンスを学ぶ 【274】賞与をめぐる状況 【275】2005年度の概算医療費が過去最高に 【276】雇用保険の基本手当日額が変更 【277】「地域別最低賃金」を2年連続引上げへ 【278】「労働審判制度」の利用状況 【279】横行する偽装請負と労働局による是正指導 【280】社員に対する資格取得援助費用の返還請求は可能か 【281】製造業や飲食業を中心に正社員が不足傾向 【282】仕事に関係のないウェブサイトの閲覧 【283】健康保険料率の上限が2008年度から引上げ 【284】企業におけるパワー・ハラスメント防止対策 【285】育児休業取得者増加への対応が重要に 【286】出産手当金の対象者・受給額の変更 【287】健康保険法改正でどうなる 【288】若年者をとりまく厳しい雇用環境 【289】民間給与が8年連続でダウン 【290】転職で失敗しないために必要なこと 【291】雇用保険料率が引き下げられます 【292】企業の子育て支援策と導入効果 【293】会社が指定した通勤経路の変更は認められるか 【294】「医療安全管理者」指針を作成へ 【295】被災時の医療費負担が減免・猶予されます 【296】平成18年度の年末調整について 【297】各業界における人材不足への懸念と対策 【298】話題の「ホワイトカラー・イグゼンプション」とは 【299】「高年齢者雇用確保措置」の実施状況 【300】「行政サービス・住民負担の地域格差」の実施状況 【301】企業による飲酒運転対策への取り組み 【302】会社に無断でアルバイトをしたら 【303】「年収130万円」の壁、働き方で変化 【304】給与は全額差し押さえられる 【305】医療制度改革に伴う患者の医療費負担引上げ 【306】新しい年金額通知サービス「ねんきん定期便」の概要 【307】定期健康診断の受診は個人の自由なのか 【308】「働く意欲」が強い50代 【309】「景気は拡大」は9割なのに… 【310】会社員の出張が増加しているのか 【311】欧州各国における子育て支援の現状 【312】患者に安心感を与えるクリティカルパス(診療計画表) 【313】日本・ベルギー間の社会保障協定締結 【314】診療報酬の「定額制」を導入へ 【315】派遣社員の事前面接が可能になる 【316】医療機関を悩ます消費税 【317】1年変形制における年休取得日 通常賃金の計算方法 【318】1年変形制における年休取得日 通常賃金の計算方法 【319】「毎月勤労統計調査」2006年分の結果は 【320】企業も派遣社員も知って得する「紹介予定派遣」制度 【321】増加する医療相談・苦情件数 【322】会社分割に伴って行われる転籍 【323】広がらない介護休業取得 【324】どうして訪問看護師が増えないのか 【325】見直される65歳以上の介護保険料 【326】介護休業はどのぐらい取得されているか 【327】口頭による採用内定に効力はあるか 【328】整理解雇の際に必要な「4要件」とは 【329】定年年齢を引上げるともらえる奨励金 【330】企業の育児支援策に対する助成金の拡充・新設 【331】4月から改正された公的年金制度のポイント 【332】出張先で飲酒中のケガは労災の対象になるか
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