2007年4月2日(月) <第1822号>
− 『不祥事』 −
今週は多発する企業の『不祥事』について現状を見ていきます。
まずは次の内容を一読ください。--->>>『私が考える優良企業』
【01】リコール(回収・無償修理)
日本企業のものづくりで優れているところは、地道な日々の積み重ねで目に見えないところまでこだわる姿勢や技術の基盤が広いことです。また質の高い素材をつくる技術は、日本企業の大きな強みになっています。それが、どうしてリコールが多発するのか・・・。
"20歳代と50歳代に二極化していて人員構成のバランスの悪さを感じる。世代や雇用形態による処遇の違いが職場の一体感を失わせ、コミュニケーションを途絶えさせている。"
設計段階の問題なのか、生産技術の問題か、それとも製造段階に問題があるのか・・・。
企業のリストラで、生産現場の従業員が非常に多忙になり、以前に比べて品質、特に「出荷品質」(最終検査工程で製品一台当たりから発生する不具合件数を示す)に目が行き届いていない可能性があります。設計や生産・製造現場に人的余裕がなくなっていることが品質問題の背景にあります。
自動車の製造現場では、製造ラインを構成する人材が変容しています。5人の2人が期間従業員であり、仕事に不慣れな人が増え『現場力』が弱くなったと指摘する人がいます。事業が好調で日本国内外で生産を拡大している企業ほど『現場力』の弱体傾向が強いのではないか。
業績がいいときこそ、経営危機の要因をはらんでいるのに”皆が気がつかない”、急激に伸びるときに”慢心する、うぬぼれる、過信になる”。工場の設備は「小(小さく)・少(少なく)・軽(軽く)・短(短く)・美(美しい)」であるべきところを、過剰に設備投資をしている業界や企業があります。
この業界は危い!
(エッセイスト 大前乃英雄)
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