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2007年1月11日(木) <第1741号>
■労働・経営■
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- 【300】行政サービス・住民負担の地域格差 -
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○地域ごとに大きく異なる住民負担
日本経済新聞社と日経産業消費研究所が実施した「第5回行政サービス調査」では、公共料金、高年齢者福祉、子育て支援、教育、住宅・インフラの5分野(計30項目)について調査を行ったそうです。それらを点数化した結果、水道料金7.3倍、保育料4.7倍、介護保険料2.7倍など、地方自治体ごとの住民向けサービスに大きな差があることがわかりました。
○評価が高いのは東京都内の市区
総合評価のトップは東京都千代田区でした。高年齢者福祉や教育分野における独自の助成金が非常に手厚く、前回の6位からの上昇となりました。その他、上位10位のうち9つを東京都の市区が占める結果となりました。
この要因は、「少子化対策」の充実にあるとみられ、例えば東京都渋谷区では、昨年、認可保育園の月額保育料を11,300円に引き下げました。この額は地方自治体で最も安く、最も高い北海道夕張市の53,500円と比べると年間で50万円以上も住民負担に差が出ます。
また、東京都台東区などでは、中学3年までは保険診療の自己負担分を全額助成するなど、子育て世帯に手厚い支援を準備しています。
○地域差はどこまで広がるのか?
東京都内の市区が躍進した要因には、景気回復で税収が増え、独自財源に余裕があることも挙げられます。しかし、税収に乏しい地方都市では、逆に住民への負担増を求める動きが広がっています。
水道料金は全体の3.6%、下水道料金は6.7%の地方公共団体が今年度から値上げを実施したようです。また、高齢者の介護保険料は2年前の調査時に比べて22.7%上昇となり、暮らしに関わる基本的な「生活コスト」が上昇する世帯は確実に増えているといえます。国や地方の行財政改革が本格化しようとする中で、今後どこまで地域格差が広がるのでしょうか。
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