2006年8月29日(火) <第1606号> ■労働・経営■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【267】家庭における夫の役割、十分ですか - ……………………………………………………………………………………… ○育児・家事における夫の役割 少子化問題に関連して、夫の役割が注目されています。「子供がほしい」と考えていた夫婦のうち、夫の育児・家事時間が増えた夫婦は、減った夫婦よりも子供が多く産まれているとの調査結果もあります。 ○日本や諸外国における夫の家事・育児参加の実態 日本では、平日は、共働き世帯、妻が専業主婦の世帯ともに夫の育児・家事時間はあまり変わらず、1時間に満たないようです。 日曜日になると、共働き世帯で3時間余り、妻が専業主婦の世帯で4時間余りに増えるものの、妻に家事・育児を大きく依存していることが調査結果から伺えます。 夫の仕事時間は通勤時間を含めて10時間を超え、休日出勤もあることが影響している結果と推測されます。 5歳未満の子供がいる夫の育児・家事時間は、平日と休日を合わせた平均で、米国が2時間36分(2003年の合計特殊出生率は2.04)、英国が3時間12分(同1.71)、スウェーデンが3時間42分(同1.71)となっており、日本の1時間40分は先進国では最低水準となっています。 ○日本で夫の育児・家事時間が少ない背景 大きな理由の1つに、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」という分業意識が挙げられます。 内閣府の調査では、日本はこうした分業に賛成の人が57%、反対の人が38%で、フランスでは71%、スウェーデンでは91%が反対と答えており、日本における分業意識の根強さが際立ちます。 もう1つが、男性の働き方にあります。30代の男性は、4人に1人が週60時間以上働いており、そのぶん育児や家事をする時間は減ることになります。 スウェーデンでは、男女とも、約7割が午後6時ごろには帰宅しているそうです。日本では男性の6割超が午後8時以降の帰宅で、午後10時以降も3割あります。 ○諸外国で夫の育児休暇取得率が高い理由 スウェーデンやノルウェーでは、ほとんどの男性が育児休暇を取りますが、最初から取得率が高かったわけではなく、両国は1990年代に、父親に一定の育休期間を割り当て、そのぶんは母親が使えない制度を導入し、取得率が向上しました。 育休中の所得保障も、両国は休業前賃金の80%〜100%と手厚いようです。 <バックナンバー> 【245】診療記録をITで提供 【246】支給日前に退職する者への賞与不支給は可能か 【247】早朝や深夜の出張のための移動は時間外労働か 【248】社員のブログでの書込み 【249】新入社員と上司がそれぞれに求めたことは何か 【250】取引先からもらったチケットを売るとダフ屋行為になるのか 【251】パートタイム労働者の活用が重要に 【252】高額医療費の申告漏れ防止のための通知サービス開始 【253】米国の年金を申請するには 【254】健康保険・厚生年金保険の報酬の支払基礎日数が変更 【255】「最低賃金」って何 【256】国によって「少子化社会」に対する意識が違うのか 【257】病院で保険が使えない場合に要注意 【258】「食育推進基本計画」の推進 【259】仮眠中は労働時間とならないのか 【260】現場に学ぶ「就業実習」 【261】フリーターと正社員どちらを選ぶのか 【262】スタートアップ(事業化)助成金 【263】高齢者市場向けの商品開発が活発に 【264】女性起業家の新支援サービスがスタート 【265】「医療制度改革関連法」成立でどう変わるか 【266】男性へのセクハラも禁止に〜改正男女雇用機会均等法が成立〜
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