2006年8月6日(日) <第1583号> ■労働・経営■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【261】フリーターと正社員どちらを選ぶのか - ……………………………………………………………………………………… ○正社員と非正社員の格差 最近、景気の回復で大企業を中心にボーナスや賃金が上昇に転じ始めています。しかし、契約社員や派遣社員、フリーターなど正社員以外の働き方をしている人たちは、あまりその恩恵を受けることができずにいるようです。 政府は、「同一価値労働、同一賃金」を目指して様々な対策を打ち出そうとしていますが、現時点ではまだ正社員と非正社員との格差は大きいといえるでしょう。 ○なぜ格差が生じるのか まず挙げられるのが、派遣社員などの場合、雇用の不安定さから失業をおそれ、低賃金を我慢するという側面があることです。行政は地域最低賃金を下回らない限り干渉しませんし、賃上げ交渉の担い手がいないのが実態のようです。 また、契約社員や派遣社員の場合、正社員とは異なり、継続勤務が昇給につながりにくいという点も格差の生じる要因の1つといえるでしょう。 そして、契約社員は産休や育休などの権利を行使しづらく、厚生年金にも加入していない場合が多いという実態もあるようです。厚生年金に加入しているかどうかは、老後の年金額にも大きな格差をもたらします。このようにいくつもの要因が重なって、正社員と非正社員では格差が生じています。 ○正社員ヘの道 こういった格差がある現状に危機感を抱き、契約社員や派遣社員から正社員へ転職を考える人も大勢いると思われます。 専門知識やスキルを習得すれば、自分に付加価値を付けることができ、正社員になるチャンスも広がるといえるでしょうし、今後は団塊世代の引退により人員不足に拍車がかかると見込まれ、雇用環境は改善される見込みです。 ○紹介予定派遣の利用 また、「紹介予定派遣制度」を利用すれば、いずれ直接雇用になることを前提に契約し、最長で6カ月間派遣社員として企業に勤務した後、企業と社員が合意すれば正式に就職することができます。 この制度では、事前に派遣会社が人選をするため、採用コストを軽減することができるという企業側のメリットも大きく、ニーズも極めて高いことから、人材派遣業界も普及に努めており、今後さらに広がりそうです。 <バックナンバー> 【245】診療記録をITで提供 【246】支給日前に退職する者への賞与不支給は可能か 【247】早朝や深夜の出張のための移動は時間外労働か 【248】社員のブログでの書込み 【249】新入社員と上司がそれぞれに求めたことは何か 【250】取引先からもらったチケットを売るとダフ屋行為になるのか 【251】パートタイム労働者の活用が重要に 【252】高額医療費の申告漏れ防止のための通知サービス開始 【253】米国の年金を申請するには 【254】健康保険・厚生年金保険の報酬の支払基礎日数が変更 【255】「最低賃金」って何 【256】国によって「少子化社会」に対する意識が違うのか 【257】病院で保険が使えない場合に要注意 【258】「食育推進基本計画」の推進 【259】仮眠中は労働時間とならないのか 【260】現場に学ぶ「就業実習」
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