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2006年4月9日(日) <第1464号>

                         ■労働・経営■

     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                  - 【227】転職先に部下を引き抜いたら -
     ………………………………………………………………………………………
 昨今よく耳にしますが、引抜き、いわゆるヘッドハンティングによる転職の際、引き抜かれた転職者が、転職先で前の会社の部下を勧誘することは法律上何か問題となるのでしょうか。

−原則として−
 労働者には転職の自由があり、企業間には自由競争の建前があります。退職後に行う従前の会社従業員の勧誘・引抜行為は、通常の勧誘行為にとどまる限り、原則として違法性は無いとされています。

 特に最近は職業選択の自由が優先される傾向にあり、裁判でも引き抜く側に有利になる傾向があるようです。

−不法行為となる場合−
 とはいえ、損害賠償請求が認められた判例もあります。それは、引抜き行為が社会的相当性を著しく欠くような方法で行われた場合とされています。社会的相当性の判断基準となる要件は、引き抜かれた人数や、当事者の地位、引き抜かれた企業が被った損害の程度、勧誘行為の計画性などです。

 いずれの要件も具体的な数字・文言で線引きされているものではなく、個々の裁判で総合的に判断されるものです。

−企業の対応策は−
 企業としては、このような引抜きの防止策として、社内規定で退職後2年以内の競合他社への転職を禁ずる旨を定めたり、個別に契約を交わしたりすることが考えられます。
 
 また、転職者が機密情報を漏洩した場合には不正競争防止法違反で別途責任を問うこともできます。

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