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2005年12月20日(火) <第1354号>

                         ■労働・経営■

     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
              - 【201】育児休業後、元の職場に戻ることはできる -
     ………………………………………………………………………………………
 2002年の育児・介護休業法の改正で、育児休業を理由とする解雇や不利益な取扱いが禁止されています。育児休業を終え職場復帰する際、休業前の業務に代替要員が就いていることを理由に異動を言い渡された場合、元の職場に戻ることはできるのでしょうか。

○不利益な取扱いの例
 厚生労働省の指針では、不利益な取扱いの例として減給、降格、そして本人に不利益となる配置変更をあげ、禁止しています。つまり、本人の意思に反した配置変更はすべきではないのですが、実際には育児休業後の配置変更を巡るトラブルは多いようです。

 1年以上空席となるポストに会社が代替要員を置くのは当然ですし、配置変更についても裁判所は会社に広く人事権を認めているので現実に辞令を覆すのは難しいようです。

○不利益な配置変更として争える場合
 不利益な配置変更として争える場合として、厚生労働省の指針には「通常の人事異動のルールからは十分に説明できない職務または就業場所の変更を行うことで、労働者に相当程度経済的または精神的な不利益を生じさせること」とあります。

 経済的・精神的不利益について、労働環境がまったく変化しないことは考えにくいので、問題は変化が通常甘受すべき程度を超えているかどうかがポイントとなります。

 過去の判例では、子供を保育所に預けて働いている女性の転勤について、片道2時間弱の通勤によって保育に支障が生じることは認めながら、転居することで解決できるので転勤命令は有効という判断を2000年に最高裁が下しています。

 ただ、不利益な異動に相当するかどうかの基準は、まだ確立されていません。納得できない場合は公的窓口などに相談するとよいでしょう。

<バックナンバー>
【200】受動喫煙で病気になったら

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