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2005年10月13日(木) <第1286号>
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- 【178】ボーン・イン・ザ・U.S.A -
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アメリカの人気ロック歌手ブルース・スプリングスティーンの旧譜が、紙ジャケットで完全生産限定盤としてCDショップに並んでいます。
1984年に発表された「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」は、全世界で2,000万枚以上売れた大ヒット作でした。ベトナム帰還兵の絶望的な日常をたたみかけるように絶叫するこの曲は、皮肉にも愛国の歌と誤解されました。
規制緩和と軍備増強を推し進めて貧富の差を拡大させたレーガン大統領までが、選挙演説でこの歌を引用したのは有名なエピソードです。
内閣府の調査によると、2年後に始まる団塊世代の大量定年退職が企業活動に影響を与えるとの回答は49%に上っています。
それによると、6割以上の企業で、「労務コストの軽減効果がある」と団塊世代の定年を肯定的にとらえています。また半数近くの企業で、「組織が活性化する」と期待感をにじませています。
ただ、その一方で半数近くの企業が「技術や技能の伝承が困難になる」と危機感を募らせているのも事実です。
ところで、シンクタンクの試算をみるとバブル敗戦処理の犠牲者である35歳以上の中高年フリーターが16年後の2021年には現在の46万人から205万人に増加するそうです。
多くの中高年フリーターは、高度な技能や実務経験がなく即戦力たりえず、正社員として採用されることが難しいとされています。結婚できず、子を持てず、そのうえ無年金という中高年フリーターが、今後大量発生しそうです。
団塊の世代は、ある意味フリーターを犠牲にして、バブルを乗り越え自らの定年までたどり着くことができました。
しかし、一方の踏み台にされたフリーターたちは、ベトナム帰還兵と同じく自分の人生に絶望し、誰かに再起のきっかけを与えてもらいたいと切望しているかもしれません。
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