2005年8月1日(月) <第1213号> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ - 【154】】労働者の疲労蓄積度診断 - ……………………………………………………………………………………… 平成13年12月に脳・心臓疾患(過労死等)の労災認定基準が改正されました。 新たに設けられた認定基準では、長期間にわたる疲労の蓄積も脳・心臓疾患の発症に影響を及ぼすものとして考慮することとなりました。これを受け、従来からの健康確保措置に加え、平成14年2月に「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置等」が策定されました。 この措置の概要は、次のとおりです。 ・時間外労働の削減(時間外労働を月45時間以下とすること) ・年次有給休暇の取得促進を図ること ・健康管理の徹底 健康管理の徹底では、事業者が講ずべき措置として、 a)月45時間を超える時間外労働をさせた場合は、産業医の助言指導を受けること、 b)月100時間または2月ないし6月間の月平均で80時間を超える時間外労働を行わせた 場合は、産業医の保健指導を受けさせること、 c)過重労働による業務上の疾病を発生させた場合は、再発防止対策を樹立させること、 が挙げられています。 さらに厚生労働省では、「労働者の疲労蓄積度チェックリスト」を作成し、公表しています。このチェックリストでは、仕事による負担度を、「自覚症状」と「勤務の状況」から判定し、点数化します。「最近1月の自覚症状」として用意されているチェック項目は、以下の13個があります。 ・イライラする ・不安だ ・落ち着かない ・ゆううつだ ・よく眠れない ・体の調子が悪い ・物事に集中できない ・することに間違いが多い ・仕事中、強い眠気に襲われる ・やる気が出ない ・へとへとだ(運動後は除く) ・朝、起きた時、ぐったりした疲れを感じる ・以前と比べて、疲れやすい これらの該当数を4段階に分けて判定します。 また、「最近1月の勤務の状況」では、次のの7項目があり、これらを自覚症状と同様に4段階で判定します。 1)1月間の時間外労働 2)不規則な勤務 3)出張に伴う負担 4)深夜勤務に伴う負担 5)休憩・仮眠の時間数及び施設 6)仕事についての精神的負担 7)仕事についての身体的負担 なお、仕事以外のライフスタイルに疲労の原因がある場合も多く見受けられます。疲労を蓄積させないために、十分な睡眠や休養を取るなどして、労働者個人が自己防衛を見直すことも必要でしょう。仕事に殺されては、元も子もありません。 <バックナンバー> 【130】労働保険の強制加入の強化 【131】日本の労務管理の父 【132】派遣社員の最低賃金の見直し 【133】育児休業等の特例 【134】労働審判法が期待すること 【135】国民年金保険料の口座振替割引制度 【136】認知症を知る一年 【137】社員の副業は違法か 【138】中小企業退職金共済制度への移行 【139】求人は正社員重視に 【140】成果型退職金制度をご存知ですか 【141】悪貨は良貨を駆逐する 【142】次世代育成支援対策推進法 【143】未払い残業代問題の抜本的解決策 【144】産業医に求められる心の病対策 【145】健康保険組合の異業種間の合併が可能に 【146】高年齢者雇用安定法 【147】民間型ADR 【148】JIS Q 15001 【149】労働基準監督署の監督指導 【150】年間売上3億円・従業員30人未満 【151】フリーター20万人常時雇用化プラン 【152】職場における禁煙対策 【153】外国人労働者の適正な雇用
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